第12話 ページ13
降ろしてもらったはいいものの、今度は風丸に腕を掴まれて部室まで連行されている。
離せと言っても、申し訳なさそうな笑顔で断られる。
人を逃走犯みたいな扱いしやがって…
部室についてやっと解放されたかと思うと、扉の前で誰かが必ず待ってる。
信用ないな…私…
その日は珍しくちゃんとマネ業をやった。
満足そうに笑う影山がウザかった。
仕事をしているさなか、ふと先程の風丸の表情を思い出す。
曇った表情が少し引っかかった。
『本人に聞くのが1番早いか…』
と、思ったのだが…
そもそも私は男子1人に真っ向から話しかけられるほどのコミュ力を持っていないし。
人とまともな話をする勇気もない。
何より面倒臭い。
などとごちゃごちゃ考えていると、風丸が近くに来た。
どうやら私の脇にあるボール籠に用があるらしい。
ふと風丸の目が私の手に止まる。
風「どうしたんだ？その手」
自分の手で場所を示して聞いてくる風丸。
指摘された場所を見ると、結構な痣が出来ていた。
今日のか…。
『チョークの箱を…』
風「チョーク？」
『払い落とした』
風「……」
風丸は呆れたようにため息をつくと、手招きしてくる。
大人しく近づくと、傍らにあった救急箱を抱え、私をベンチに座らせる。
『自分で出来る。余計なお世話だ』
風「絶対やらないだろ」
『……』
図星で何も言い返せなかった。
風丸によって的確に手当されていく痣を、ただぼーっと見ていた。
さっきから抱いていた疑問が、ポロッと口から出た。
『今日のあの表情はなんだ…？』
風「ん？」
『私が源田に担がれてた時、目が合っただろ…。あの時のお前、凄く曇った顔をしていた』
何かあったのか？と付け加えようか迷ってやめた。
それでは私が、まるでこの男を心配しているようであったからだ。
風丸は困った笑顔で頬をかいた。
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美味しい木材(プロフ) - 更新いつまでも待ってます！イナイレに飽きたとしてもこの作品だけは絶対に見ます！約束です！ (2020年3月10日 7時) (
レス) id: 9f6bf4ed89 (このIDを非表示/違反報告)
霧雨煙雨/月夜(プロフ) - 面白い…！次話を楽しみにしています…！ (2020年3月10日 4時) (レス) id: 51bb19e87e (このIDを非表示/違反報告)
彩り野菜(プロフ) - 私こういう小説ものすごく好みです〜好きだな〜更新楽しみに待ってます！！これからも頑張ってください、応援してます！！！ (2019年12月24日 10時) (レス) id: 953f065768 (このIDを非表示/違反報告)
イツキ(プロフ) - おでんさん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2019年12月4日 23時) (レス) id: d483986195 (このIDを非表示/違反報告)
おでん(プロフ) - 次の更新楽しみ！ (2019年11月29日 22時) (レス) id: e34043743b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イツキ | 作成日時：2019年10月20日 9時
