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何が起きたか分からないくらい一瞬の出来事
気付けば部屋の玄関に景色は変わり
藤原樹の胸の中で抱き締められている
樹「ずっと我慢してたのに」
「我慢？」
樹「青山陸の事好きなんじゃなかったの？」
靴のまま玄関先で、切なく言葉を漏らす
話す度に、ぎゅ、と力が入っているように思えて
「陸さんの事、ずっと好きだったよ」
樹「…知ってる」
「…いつの間にか
藤原樹を好きになってた事は？」
数秒の沈黙の後、温かな重みを肩に感じる
藤原樹は頭を乗せ、首筋に顔を埋めた
後頭部に添えられた手によって
より密接に彼と触れている事を連想させられる
樹「知る訳ないだろ…」
首元に吐息がかかり、ドクン、と胸が鳴る
樹「Aが幸せなら、
青山陸との事応援してやんないと、って」
…なんだ
私、何で気付かなかったんだろう
樹「Aの笑った顔、凄い好きだから…」
時折見せる切ない表情の理由
樹「俺、その顔近くで見ていいわけ…？」
彼はこんなにもずっと、
私の事を一番に考えてくれてたんだ
「…もちろん」
首元から顔を上げた藤原樹は、今までに見た事のないような艶っぽい表情のまま視線を絡めて
樹「後悔すんなよ」
少し上からそんな口調で、だけど優しく告げた言葉
「させないでよね」
反抗気味に挑発してみると、ニヤリと至近距離で笑って、眠たそうな目を細めた
樹「当たり前」
言い終わるのが先だったか
触れたのが先だったか
額にちゅ、とキスを落とされると、ふにゃりと優しく笑ったから、どちらが先かはどうでも良くなって
「ちょっと片足辛いかも」
樹「うわ、忘れてた」
「忘れないでよ」
樹「どうりで…」
松葉杖のまま抱き締められていた事に気付き、片足立ちでのこの状況に、フッと笑った彼
すると、靴を脱いで部屋に上がり、王子様のように私のヒールを脱がせ始める
「自分で出来るよ？」
と、上から声を掛けると、靴を脱がせながら、下から上目遣いで見上げられて
再び胸は切なく高鳴る
樹「いいでしょ？ただの先輩じゃないんだから」
されるがまま靴を脱がされると、軽々と身体を持ち上げられ、思わず首へと腕を回した
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りい(プロフ) - とても良かったです！！！ (2021年10月11日 2時) (
レス) @page50 id: 23552ed598 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - 美憂さん» 読了、コメントありがとうございます！素敵だと言っていただけるいっちゃんが書けて良かったです(^^) (2021年3月15日 1時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
美憂(プロフ) - 最高な作品でしたー。いっちゃん素敵！ (2021年3月13日 22時) (レス) id: 35846edb09 (このIDを非表示/違反報告)
まいぽん(プロフ) - 蘭さん» ありがとうございます！ぜひ読ませていただきます！！ (2020年3月10日 23時) (レス) id: 0b1b1da15f (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - まいぽんさん» 返事が遅くなってしまってすみません涙 今度また藤原樹君のお話を書かせて頂いた時には、まいぽんさんをもっと虜に出来る様に頑張りますね(^^) (2020年3月10日 18時) (レス) id: 9208e0cc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭
| 作成日時：2019年1月7日 20時
