It's too late

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side チャニョル


ギョンスたちが来たあの日から、何となく、この部屋に帰ってくるようになった。まあ、自分の家だし、当たり前だけど。


全くなくなったと思っていたAの荷物も、よく見るとまだ少しだけ残ってて、ジヘに申し訳なくなった。


「片付けなきゃな」


ソファーの上にある、もこもこのブランケット。

(これ、あの輸入雑貨の店で買ったお気に入りのやつじゃん。)



あれだけよく食べて飲むくせに、矛盾してるダイエットスリッパ。

(トイレ行くたびに、はき忘れてたし)



俺とお揃いのパジャマ。

(会社の忘年会のビンゴゲームで当てたとか言ってたけど)





「…どうしよう」

家具類はともかく、ジヘの立場だったら、いい気、しないはず。


今はデリケートな時期だし、ひょっとしたら、この前泊まりに来たときも、気にしてたかな…



「これもだ…」

寝室に置いてあった大きなクマのぬいぐるみ。

(取引先からの帰りに通りかかった店においてあったって…俺に似てるとか言ってたけど)


「欲しいなら買ってあげたのに」



ジヘなら、可愛くおねだりしてくるだろうな。想像しただけで、口元が緩む。


産まれてくる子どもは、男の子かな、女の子かな。


双子だといいけど、でもそれだとジヘの負担が多きすぎる。


名前、何にしよう。


いや、まず、結婚か。


結婚…けっこん…？


「そっか、俺、ジヘと結婚するんだ」


プロポーズ、しなきゃな。ちゃんと、マネヒョンにも言わなきゃ。


ジヘの実家に挨拶もいかなきゃ。まだ結婚もしてないのに、妊娠させたなんて、怒られるかな。


あいつらには言ったから…あとはファンと、スタッフと、ああ、この家の片づけと、新しい家の準備に…


でもその前に、明日からの日本スケジュールのための荷造りしないと。



あれ、あの帽子どこにやったっけ。


「Aー…って、」

そっか、出ていったんだった。


いーや、別のやつもっていこ。



あ、ごみ、出さないと、あー、いーや、宿舎で捨ててもらお。


後は…



やらなきゃいけないこと、いっぱいあるじゃん。








この数年間、俺、どうやって暮らしてきたんだろ。

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