たまにはのんびり1 ページ4
side.S
｢しょーおくん！｣
｢ん？どうしたの？｣
｢こっち来て？｣
彼はぽんぽんとソファを叩く。
あぁ…隣に来いってね。ハイハイ分かったよ。
俺は読んでいた新聞を畳んだ。
｢んふふ｣
｢智くん、急にどうしたの？｣
大人しく隣に座ると、急に俺の肩を抱き寄せて笑った。
｢今日はお互い休みでしょ？だから、たまには2人でどこにも出掛けないでのんびりしよ？｣
｢のんびり…｣
確かに2人とも久々のオフだ。前日から智くんの家に泊まりに来ている。
基本俺は一日中休みがあったらきっちりスケジュールを詰める。智くんと居る時も、一緒にお出掛けしたり、一緒に釣りに行ったり…必ず2人で外に出ていた。
｢こういう日もありじゃない？｣
｢でも…のんびりするって言っても…何すんの？｣
正直…家に居ると何していいか分からない。だから智くんと一緒にいても出掛けてたんだ。
｢特に何もしないよ｣
｢何も！？｣
｢うん。何もしないでこうやってさ、可愛い翔くんでも愛でようかと(笑)｣
｢…っ///｣
肩に回っていた手で頭を抑え、ちゅっと俺の頬にキスを落としてはニヤニヤする。
｢馬鹿じゃないの…｣
｢んふ、照れてんの？かーわいい｣
｢可愛くねぇ////｣
サラッとそんなこと言うから…恥ずかしくて、顔を見られたくなくて智くんと逆の方向を向く。
｢もー、ほらこっちおいで｣
｢うわっ！ちょっと待って！！｣
いきなり腕を引っ張られ、智くんと共にソファに寝っ転がる。
俺は智くんのまぁ…上に乗っかってるわけで。
｢ちょっ、ちょっと離してっ！｣
｢だーめ｣
その体制があまりにも恥ずかしくて、ドキドキと心臓の音が早くなる。
ドキドキしてるのがバレるのが嫌で逃げ出そうと体を捻ったりしてもビクともしなくて。
なんでこんな力強いんだよ…。
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作者名：奏海 | 作成日時：2020年5月2日 1時
