#4 ページ29
結局阿部が部屋を出ていった後、深澤は渡辺の紹介に移った。
fk「こっちが渡辺翔太。こいつは「
nb「俺の話もすんのかよ」
fk「当たり前じゃん?」
nb「ってか全員「異端」だってばらしていいの」
fk「今ばらさなくったってどうせ照がばらすでしょ、だったらちゃんと俺達から言おうよ」
タオルを噛まされているせいで息がしにくい上、どうしようも無い焦燥感で上手く息が吸えなくなってくる。
それでもラウールは必死に酸素を取り込んだ。
fk「翔太はね、肺活量がすっげえの。それを活かしていつも吹き矢を使います。翔太が思いっきり吹けば、ただの針だって人の頭を貫通する」
nb「お前の荷物撃ったのも俺。阿部の能力が効かなかったせいで最終的にお前を仕留めたのも俺」
あの時首に刺さった針は渡辺が放ったもの。あの時渡辺が持っていた何かは小型の吹き矢。
そこまでの結論に至る頭は残っている。まだ大丈夫。そうラウールは自分に言い聞かせた。
fk「あとは俺か。どーも、深澤辰哉です」
得体の知れない相手の前で弱みを見せてはいけない。気を失いそうな程に精神は不安定だが、ここで本当に気を失う訳にはいかない。
それに、ここに来るかもしれない片割れが、自分が気絶しているのを見たらどうなるか。考えるまでもない、いや考えたくない。
そんな感情を胸に抱いて、ラウールは必死に意識を保ち続けた。
fk「俺の能力はね……あ、照の能力知ってる?」
突然話をふられ、ラウールは一応頷いて見せた。
fk「そう、なら話は早い」
ラウールの葛藤に気づいているのかいないのか、深澤は満足そうに微笑んで話を続ける。
fk「俺の能力はー……照とお揃い」
ラウールは目を見開いた。
岩本が「狩猟豹」なのは知っている。ラウールが実際にその能力を見た事は無いものの、少なくとも自分の兄を一瞬で仕留めるくらいに強い事も知っている。
そんな能力を、目の前で不敵に微笑む男も持っているというのか。
もし兄がここに来て深澤を倒そうとしたら。兄は彼に勝てるのか。
勿論兄は強いと信じている。しかし、その兄が岩本に負けたのも事実である。
もし兄が、岩本と同じく「狩猟豹」である深澤と戦ったら。
＿＿もし兄が、自分を助けようとしたせいで酷い目に遭ったら。
fk「ま、照が大人しく俺達の所に戻ってきてくれたら能力使う気は無いから安心して」
深澤の話を辛うじて聞きながら、ラウールは鼓動がどんどん速まるのを感じていた。
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» わーありがとうございます! 直しました! これからももし見つけたら遠慮せずに教えてください……! ありがとうございました! (2020年11月8日 11時) (
レス) id: f87dad8c17 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 岩本"が"「狩猟豹」なのは＿。 が 岩本"か"「狩猟豹」なのは＿。になってますよ！細かいところですみません。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» いつもコメントありがとうございます! 更新頻度がだいぶ遅くなるとは思いますが、何卒お付き合いよろしくお願いします! (2020年10月24日 11時) (レス) id: 4e2a0ba139 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 新しい作品楽しみにしてました！更新応援してます！ (2020年10月23日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年10月22日 23時
