#2 ページ20
「すみません、コーヒー一つ」
聞き覚えしかない声が聞こえて岩本は勢いよく振り返った。
そこに立っていたのは、真っ黒なパーカーにジーパンというカジュアルな格好の男。
人の良さそうな笑みの彼は目黒の二つ隣の席に座ると、その笑みを崩さないまま岩本を見た。
「……彼に淹れてほしいな」
iw「……ふっか」
「やっほー照」
kj「え、知り合い?」
岩本が答えるより早く、深澤が向井の質問に答えた。
fk「照は俺の親友です」
dt「そうなの?」
iw「……まあ、」
深澤は笑みを浮かべ続けていた。
人の良さそうな、しかし目だけは笑っていない形ばかりの微笑みを。
fk「ねえ照、なんで急にいなくなっちゃったの? 俺びっくりしちゃったんだけど」
岩本は答えない。警戒しているような、畏怖しているような表情で深澤を見つめるだけ。
岩本の態度で察したのか、向井達も深澤を厳しい表情で見つめていた。目黒に至っては深澤を完全に警戒し、鋭い視線で威嚇している。
しかしそんな雰囲気は何処吹く風、深澤は表情を変えずに岩本に話しかけていた。
fk「俺照がいなくなったら寂しいからさあ……追っかけてきちゃった」
iw「……」
fk「ねえ……戻ってきてよ」
岩本は何も言わない。深澤も黙って岩本の返答を待っている。
しかし岩本が良い返事をしないと察した深澤は、ついにその笑みを消した。
fk「……なんで戻って来ないの」
iw「……ふっか、」
fk「ねえ、なんで?」
岩本は一度目を伏せると、意を決したように顔を上げて言った。
iw「……もうやめよう」
fk「は?」
iw「ふっか、もうやめようよ」
深澤はしばらく黙っていたが、やがて声を上げて笑った。
何の話か全く分からない宮舘達は、不安や疑念を感じながら二人を見ている事しか出来ない。
fk「……やだなあ、何言ってんの?」
iw「なあふっか、」
fk「誰のためにここまでやったと思ってんの?」
急に声のトーンを下げた深澤に岩本は警戒を強めた。
fk「ねえ照……全部照が望んだ事だよね?」
iw「……っ、」
fk「俺は照のためにずーっと頑張ってきたんだよ?」
深澤の目線に耐えきれず、岩本はついに下を向いた。
岩本は深澤の元から逃げ出した。深澤が狂っていく事を、彼の凶行を受け止めきれなかった。
こうなったのは＿＿事の発端は間違いなく岩本なのだ。
だから逃げた。自分がいなくなれば彼が目を覚ましてくれると思ったから。
しかし、そう上手くは行かなかった。だから深澤がここに来たのだ。
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» わーありがとうございます! 直しました! これからももし見つけたら遠慮せずに教えてください……! ありがとうございました! (2020年11月8日 11時) (
レス) id: f87dad8c17 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 岩本"が"「狩猟豹」なのは＿。 が 岩本"か"「狩猟豹」なのは＿。になってますよ！細かいところですみません。 (2020年11月8日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» いつもコメントありがとうございます! 更新頻度がだいぶ遅くなるとは思いますが、何卒お付き合いよろしくお願いします! (2020年10月24日 11時) (レス) id: 4e2a0ba139 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 新しい作品楽しみにしてました！更新応援してます！ (2020年10月23日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年10月22日 23時
