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2日目の初戦、伊達の鉄壁と呼ばれる伊達工業高校だった。
堅治が相手コートにいることが、こんなにも違和感なのかと。
覚「 Aちゃん、心ここに在らずって感じダネ 」
『 天童さん 』
覚「 いとこって言ってた子、1年なのに試合にでるなんて、凄いことじゃん 」
『 ...何が言いたいんですか 』
覚「 Aちゃんは、うちのことを考えてればいいんじゃないカナって 」
『 天童さんって意外と嫉妬しいですか?』
クスッと鳴宮が笑うと、いつもの飄々とした顔の天童は少しだけ驚いたようだった。
ああ、今はすごくこの人たちに勝ってほしいと思う。
『 決勝、及川さん打ち負かすんですから、こんなとこで躓いてもらっちゃ困りますよ 』
覚「 なんかズるいな〜 」
『 意味がわからないので、早くアップに戻ってください 』
覚「 は〜い 」
ダラダラと戻っていく天童さんを見送って、私は相手のスターティングメンバーについての情報をまとめた。
バレーボールはやっぱりプレーするよりも、こうして外から見ている方が楽しい。
牛「 いくぞ 」
準決勝、vs伊達工戦が始まる。
結果は2-0でストレート勝ちだった。
コートから戻ってくる選手たち。
汗を流し、息を切らす。苦しいであろうが、彼らはとても楽しそうだ。
私は戻ってきた選手たちにタオルを渡す。
『 やっぱ強いや。どこにも負ける気がしない 』
白「 当たり前だから、次も勝って全国行くのはうちだし 」
川「 負けようと思ってコートに入るやつなんていないだろ 」
1年ながら、2人は大きかった。
ああ、なんの心配もいらない。
決勝、vs青葉城西。
及川さん、バレーボールにはいろんなスタイルがある。
及川さんは確かに強い人だ。
だけど、私は白鳥沢にいることを後悔しない。
あなたを越えるために頑張った中学時代、今ここで私の仲間があなたを超えてくれる。
牛「 俺たちは負けない 」
牛島さんの大きな掌が私の頭を優しく撫でてくれる。
信じています。
『 はい。』
表情が変わらないあの牛島さんが笑った。
あ、クソほどカッコ良い。
白「 キモい顔してるよ 」
『 これが、胸のトキメキ... 』
川「 A〜、戻ってこい 」
『 太一が小さなやつに見える 』
川「 俺に失礼だな!ま、実際小さいわな 」
太一がポンと頭に手を乗せコートへ駆けていく。
他のメンバーもそれに続けて、ポンポン頭に手を乗せていく。
いや、途中殴った奴誰だ。
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りんご - つとむがいないつとむんがいない泣いた (2020年4月20日 10時) (レス) id: 1b44938d74 (このIDを非表示/違反報告)
千春(プロフ) - 商店街の子供にガムつけられて髪を切って、男と間違えられる流れと、「生物学上では女」っていう言葉が桜蘭高○ホスト部と酷似してましたが、それを参考にしたのでしょうか? (2019年8月26日 22時) (レス) id: c8fa9f1eb9 (このIDを非表示/違反報告)
美幸(プロフ) - 1話を見て「あれ、桜〇高校ホスト部?」って思いました。 (2019年6月20日 13時) (レス) id: d9bb381733 (このIDを非表示/違反報告)
とっとこ - 面白いですね!! 川東がかっこいいですね!(( (2019年3月17日 22時) (レス) id: f0db948643 (このIDを非表示/違反報告)
チャリアカー - めっちゃ面白いです! 夢主ちゃんが可愛すぎて…… 更新頑張ってください! (2019年3月17日 21時) (レス) id: ec0ea712a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐吉いろは | 作成日時:2019年3月15日 0時