監視対象は純黒の悪夢を見る【名探偵コナン】

67.夜空に1輪 ページ31

大きな爆発が起こり数秒間辺りが照らされ、正確にヘリの居場所が分かる。

「見えた！」

目でそのヘリを捉えた瞬間、キック力増強シューズをオンにしてベルトからボールを射出する。
そして目の前のヘリ目掛けてボールを思いっきり蹴った。

「いっけええええ！！！」

通常のシュートではありえない速度とパワーを出しながら、そのボールはヘリの目の前まで行くと急に上がり、そのまま色とりどりの火花を出して爆破した。

ヘリの真上に1輪の花火が撃ち上がったのだ。

その花火の光で赤井さんはスコープ越しに狙いを定めると引き金を引いた。



「＿＿＿＿＿＿墜ちろ」



赤井さんの弾丸は見事命中し、ヘリは火を吹き始め大きくバランスを崩した。

「よし！」

「やったか……！」

高度がどんどんと下がっていき墜落するかと思ったそのとき、再び弾丸の雨が降りだした。



***



突然、観覧車の方で大きな花火が打ち上がり、思わずそちらの方に目をやる。

「え……？」

あの3人の誰かが花火打ち上げたんだろうけど……え？どういうこと？きっと何かの作戦なんだろうけど、一体どんな作戦なんだろう。こんな状況で花火が打ち上がるのって普通は無いよね。

はぁ……スマホが無いから蘭ちゃん達と連絡も取れないし。手足痛いから正直もう帰りたいなぁ、なんて。

キュラソーさんの方に目を向ける。まだ横になって眠っている。
とりあえず私ができる限りの軽い止血はしたけど素人だし何も知識が無いから色々心配だ。

するとヘリから黒い煙が立ち上ぼり、ヘリは大きくバランスを崩した。
もしかして墜落する？と思っていたのも束の間、また銃器を向けて観覧車の方を撃ち始めた。どうにかして観覧車を爆破させたいのだろうか。

「だ、大丈夫かな……」

ちょっと心配になってきた。

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