監視対象は純黒の悪夢を見る【名探偵コナン】

51.どうなっても知りません ページ15

ど、どうしよう、助けるって言っても！電気で銃を狙うのは色々とまずいし。

「疑わしきは罰する。それが俺のやり方だ」

辺りが緊迫した雰囲気に包まれる。ジンは吸っていた煙草を床に捨てて踏みにじった。

「さぁ、裏切り者の裁きの時間だ……！」

彼はそう言いながら迷わず引き金を引いた。

「ぁ……やめっ……」

震えた声を倉庫内に響く銃声が掻き消した。
撃たれたのは女性の方で彼女は呻き声を上げながら肩から血を流し、しゃがみこむ。

ッよ、良かった、まだあの人は生きてる！

ホッとするがまだ心臓がバクバク鳴ってうるさい。

「ほらどうしたキール、続けろよ。手錠を外してぇんだろ？」

「まだ容疑者の段階で仲間を……！」

安室さんは銃口を向け続けるジンを睨みつけた。

し、しっかりしろ私……！超能力者なんでしょ！？こういうとき活躍できないでどうすんの！？

「仲間かどうかを断ずるのはお前らではない。
最後に1分だけ猶予をやる、先に相手をうった方にだけ見せてやろう。
……鼠のくたばる様をな」

彼は銃口を向けたまま、大柄な男をウォッカと呼び、カウントを任せた。

「了解、60秒」

猶予は60秒、その間にどうにかして銃を止めなきゃならない。

「そんな脅しに乗るもんですか！」

「もし彼女をノックと言ったら、自分もノックだと認めたことになる。そんな奴をアンタが見逃す筈がない」

キールと安室さんの意見にジンは鼻で笑う。

「ハッ、そいつはどうかなァ？俺は意外と優しいんだぜ？キールゥ？」

ウォッカが残り40秒だと伝える。迷ってる時間が無いのは明らかだった。

「ーーっ！」

あぁもう！やるしかない！
レーダー頼りで見ないでやるから命中するか分かんないけど、少しでも時間を稼げばいいんでしょ！

私は覗き穴から顔を引っ込め、代わりに腕の付根まで手を入れると倉庫の屋根を支える柱を磁力で操った。

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