37.黒の女性 ページ2
ある日の月夜。とある女性が警察庁に侵入していた。
彼女は誰もいない薄暗い部屋で複数のモニターがある中、顔写真と個人情報が映された1つの液晶画面をスクロールしながら穴があくほど見つめる。
一通り見終わり、赤、青、白、橙、緑色の五色のカードを取り出すと目を閉じて深呼吸する。
そして彼女は目を見張らせ、カード越しに映し出された情報をもう一度凝視した。
その瞬間、何者かによって部屋の照明がついた。
「っ!?」
女性は持っていたカードを下ろし、黒い髪を揺らして電気のスイッチがある出口の方へ視線を移す。
「そこまでだ、机から離れて手を上げろ」
そこから出てきた黒淵の眼鏡をかけた男性、風見裕也は拳銃を持った刑事2人を率いて女性に命令する。女性は大人しく、風見の言う通りに両手を上げた。
「フッ、お前達の動きはお見通しだ」
勝利を確信してニヤリと笑う風見。それと同時に、女性も口角がつり上がる。
すると彼女は拳銃を撃たせる暇もなく刑事2人を1手で鮮やかに倒し、その勢いで風見にも攻撃する。
彼は何とか手で防ぐが一瞬の隙が生じ、彼女はそれを逃さずに部屋から出ていった。
***
月明かりで照らされる廊下にヒールの靴音が響く。
女性が曲がり角がある方へ走っていると、角から1人の男性が顔を覗かせた、降谷零である。
女性はそれを見た途端、先制で蹴りを入れるが彼はひらりと躱し、着地して隙ができた彼女を拳で反撃する。それでも女性は蹴りを入れてそれを阻止した。
女性の黒髪のウィッグが取れる程、一歩も引けない激しい攻防が続く。そして降谷が放った右ストレートが頭を守ろうとした腕を直撃した。
「あぁッ!」
その反動で女性のコンタクトが外れて飛んでいった。女性は悲鳴をあげてそのまま後ろへよろめくが何とか耐える。
「降谷さん!大丈夫ですか!?」
追いかけてきていた風見が到着した。
2対1。彼女は不利な状況。しかし臆する事もなく、女性は不気味に高笑いし始めた。
窓際から差し込む月の光で彼女の姿がよく見えるようになり、降谷は
「その目、まさか……!」
「降谷さんずれて!動くなッ!」
後ろで風見が拳銃を構え、降谷が斜線を避けるようにずれる。
しかし女性はフッと笑い、全身を使って後ろの窓を突き破り飛び降りた。
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秋海(プロフ) - ありがとうございます…! (2021年8月8日 19時) (レス) id: 628fc0211f (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 秋海さん» ありがとうございます!!!夢主ちゃん描いてくださったんですか!?自作発言などなければ基本的に載せていただいて大丈夫です! (2021年8月8日 19時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
秋海(プロフ) - 作品とても面白いです!!夢主ちゃんが可愛かったので描いてみたんですが、見て頂きたいので自分の作品の方で載せても良いですか…? (2021年8月8日 18時) (レス) id: 628fc0211f (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます、白いカードのシルエットのことでしょうか?そうです降谷さんです、合っていますよ!! (2021年8月5日 16時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - あの、ホーム画?イメ画?のシルエットになってるイラストって、降谷さんですかね。?!((((違ったら全力逃走 (2021年8月5日 5時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2021年3月2日 17時