その少女、監視対象 No.3【名探偵コナン】

77.青い飲料にご注意 ページ8

昨日。あの坊主、江戸川コナンに水瀬葵について調べてほしいと言われ、今日家に呼び込み行動に移した。

「……」

さっきまで目の前で紅茶を飲んでいた少女は現在、机に突っ伏して静かに寝息をたてている。

会った頃から警戒心は普通の女性より無かった気はするがまさか本当に紅茶を飲んでくれて寝てしまうとは。しかし彼女のような年齢だと青い飲み物は変な薬を入れられている可能性がある、なんて考えないか……？

坊主に「味方かもだけど黒の組織の一員かもしれない」と聞いた事やおそらく降谷くんにも頼られる存在だと思っていたからてっきり引っ掛からないと予想していたのだが。
こんなあっさり引っ掛かってくれるものなのか？でも彼女の様子を見る限りは俺が騙されている……というわけでは無さそうだ。

俺は彼女を起こさないように静かに立ち上がり近くにあったブランケットを肩にかけると、彼女が置いた鞄に近寄る。
スマホや持ち物に何か重要な手がかりが無いだろうか、と考えながら鞄の中身を漁った。特に目立ったものは無かったのでスマホだけ取り出し、パソコンの方へ持って行く。

スマホをパソコンと繋げ、ハッキングを仕掛ける。少し経ってからパスワードが解除されホーム画面が表示された。

メッセージアプリなどを開いて何かないか漁るが、目立った手がかりは無さそうだった。
さすがに履歴は削除しているか、スマホの2台持ちというのもあり得るな。

「……？これは」

アルバムを見ていると、マップをスクショしたものに赤いバツ印が記された画像が出てきた。友達の写真や風景、食べ物の写真がほとんどの中でこの画像だけ一際目立つ。
一体これは何の印だろうか。

ちょうど上に住所が書いてあり、米花町の住宅街のマップなのが分かる。
少し気になった為パソコンの方でもこの住所を検索し、3Dマップで赤い印が付いている場所を探す。

赤い印の場所には特に目立った建造物はない、普通の住宅だ。他の印と共通しているのは……監視カメラがある事だろうか。監視カメラにわざわざマークするなんて一体彼女は何を考えているのだろう。

秘密裏に行動する為？それとも誰かを追っているのか？
……何にせよ、ボウヤにこの事を伝えておこう。

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