84.足跡を残して ページ15
「う、前髪が崩れる……」
せっかく巻いたのに、湿気がなぁ……。
次の日、私は雨が降る中バイト先に向かっていた。
街灯がつき始める時間帯で外はかなり暗く、雨の影響も上乗せされて少し肌寒い。
……そういえば何だかんだバーのバイト上手くやれてるな。
来客が少ないから空いてる時間でカクテルのレシピを覚えたりお酒の名前を覚えたりできるからそこまで困った事は無かった。強いて言うならまだ成人してなくてノンアル以外飲めないから味の確認ができない事ぐらいだろうか。
よくシフトが被る先輩の小林さんは優しいし、危険そうなバーだったけど意外と平和だ。確かに何か強面の人が来たり、いかにもブラックな職業してそうな人は来るけど余計な事に突っ込まなければ大丈夫そう。
本当は黒の組織のメンバーとか来てくれれば、もしかしたら私のクローンの情報を聞き出せるかとも思ったけど……。黒の組織っぽい人は来ないし、顔で察したとしてもただの女子高生には話してくれるわけないよねきっと。
これ以上面倒事に巻き込まれたくないし少し貯金したらバイトやめようかな。もうすぐ借金返せそうだし。
考えている間にバーに着き、傘をたたんで店へ入るとすぐに小林さんを見つけた。
「あ、水瀬さん？来るの早いね」
「！お疲れ様です。雨だったので早めに家を出ただけですよ」
グラスを洗う小林さんは少し残念そうに笑った。
「そっかぁ。でももう少し早ければ水瀬さんも君のお姉さんに会」
「はぁ！？お姉さん！？
あっ、大きな声出してすみません」
彼の爆弾発言に思わず遮って大きな声が出る。
私に姉なんかいない、嫌な予感が頭をよぎった。
「い、いやー、さっきまで君のそっくりさんが来てね。てっきり水瀬さんがきたのかと間違えたら姉ですって言われちゃって……」
私のクローン……ギブソンってやつだろうか。一般人に自分がクローンだなんて言えないから私の姉を装っているの？
「って事はまだ近いですか！？どこ向かったか分かります！？」
本当そっくりだったよ、と笑う彼に私が早口で詰め寄ると彼は目を丸くして驚いた。
「わ、分からないけどそう遠くには行ってないはず……ってもしかして追いかけるの！？姉妹なら連絡先とか交換してないのかい？」
「ッ仕事の時間までには戻ってきます！」
私はそれだけ言うと傘を持って店を飛び出した。
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よもぎもち(プロフ) - アリアさん» そうです、オマージュさせていただいてます！ありがとうございます！！ (2022年4月27日 2時) (
レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
アリア(プロフ) - コメント失礼します！この話ってもしかしてなんですけど、【とある科学の超電磁砲】って話を元にしてませんか？？すごく面白くて好きです！！ (2022年4月26日 15時) (レス) @page12 id: 9a7bd0b00e (このIDを非表示/違反報告)
藍梨(プロフ) - 見てもらえるとうれしい（ ´∀｀）です (2022年3月13日 11時) (レス) @page14 id: 42bd1ecc91 (このIDを非表示/違反報告)
藍梨(プロフ) - よもぎもちさん» イメログの夢主ちゃん描かせていただきました！シリーズにあります (2022年3月13日 11時) (レス) @page14 id: 42bd1ecc91 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - べにまる。さん» 好きと言っていただけてとても嬉しいです！イラスト嬉しいです、ぜひ見せてください！ (2022年3月7日 14時) (レス) id: 2b1ed576a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2021年9月14日 17時
