17時間目。 ページ36
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蓮くん今日お話会の後、一緒に帰ろ
蓮くん演劇部の部室で待ってて
と、突然来た連絡に"分かった"と返信して、
今日のお話会に向かった。
なんで演劇部の部室なのかは分からないけど、
何か用事があったのかな、なんて呑気に考えた。
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だいぶ、というか、もう普通に話せるようになった野郎組の皆さん。
少し前に克服をしたみたいで、今はただ仲良くお話をしてる。
そういえば、克服した時、蓮くんは嬉しそうに話してくれたなぁって。
なんで私だけなんだろうなんて、忘れてた事実を思い出しながら、演劇部の部室に来た。
ｺﾝｺﾝ
○「失礼しまーす…蓮くん居ますか？」
部室に来てみたはいいけど、誰もいない。
と思ったら、
？「A、」
突然、緑のカッパの着ぐるみを着た人が出てきた。
この着ぐるみ、どこかで…
？「僕だよ、蓮。三村蓮」
○「え、蓮くん？なんでそんな格好、」
蓮「これは、その、Aと話したかったから…」
…思い出した。
この着ぐるみ、蓮くんが話せなかった時に使ってたやつだ。
写真を見せてもらった事がある。
蓮「こんな格好でごめん、」
○「ううん、前にそれ着たら話せるって言ってたもんね、大丈夫だよ。私に何か言いたかったの？」
蓮「あ、えっと、Aと話せなくなったのはね、その…Aが女の子だって分かったからなんだ、」
○「…へ？」
蓮くんの言ってる事が理解出来なくて、
変な声を出してしまった。
蓮「その、最近登下校誘っても四谷くんとか六ちゃんと話してて、話せないのは僕が悪いのに、なんで？誘ったのは僕なのに、とか友達だって分かってるのに嫉妬するし、
授業中も、A何の授業かな？とかさっき話せなかった事への後悔とか、
もうずっと、ずっとAの事ばっかり考えちゃって、気付いたら話せなくなってたの、…嫌な気持ちにさせてごめん、」
いつも話上手な蓮くんだけど、今日はいつも以上に饒舌で早口に話すから。
それに、
私でも少し期待してしまうような言葉達でしかなくて。
余計にどう返したら良いのか分からず、動揺してしまった。
○「えっと…」
なんて戸惑ってたら、急に着ぐるみの顔を外した蓮くんが1歩近づいてきた。
○「…？」
蓮「要するに、その、Aが、すき、です、…！っ、」
そう言い残して、私の返事も聞かずに走っていってしまった。
何それ。また言い逃げとか狡いよ、蓮くん…
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作者名：ぴゅかぴゅう | 作成日時：2020年5月10日 15時
