総統閣下、かくれんぼですか？

六回目 ページ8

.





「なぁなぁ、それホンマに一人で食うの？」


私の膝の上に置かれたケーキの箱を見て

鬱様は質問してきた


「黙秘権を行使します」

「えー教えくれてもええやん」

「嫌です」


総統閣下へのお土産だと言えば

変な誤解をされそうで怖いから絶対言わない

……


総統閣下、大丈夫だろうか


「そういやさ、Aちゃんって
グルちゃん探すの上手いよな」

「そうですか？」

「いつもAちゃんが先に見つけるから」


当たり前だ、総統閣下が

泣き顔などを晒したくないと言ってたからだ

私はただその願いを叶えるまでだ





ｶﾞｶﾞｯ



突然のノイズ音


「あれ？トンちから通信きた…トンち？」


スピーカーにして私にも聞こえるようにした


『大変や！グルさんまたいなくなりおった！』


私はその発言を聞いて鬱様をおいて

ケーキが崩れないように持ち

全速力で城に走った


「Aちゃん！？」


鬱様が困惑していたが、無視だ


探さなければ







「A」


気が付けば中庭まで走っていた

どれだけ走ったのだろうか


そして、簡単に総統閣下は見つかった



花を持っていた

七回目→←五回目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す