第525Q 日向 対 実渕 ページ25
「(こいつのシュートフォーム…とんでもなく効率のいい型だ！！
下半身の力が漏れなくボールに伝わってる…！
改めて惚れ惚れするこれが"無冠の五将"実渕玲央…！！)
今この時間は、以前のようにコートの外からただ見ているだけでは許されない。
「……って！んなのこと考えてる場合じゃねぇだろオレ！(もう今はお手本の選手じゃねぇ！)」
Aからボールを受け取った日向、繰り出すのは猛者たちと戦うために身につけた武器。
「(倒さなきゃなんねぇ選手だ！)」
景虎から習った不可侵のシュート。
「(一段と速い…いや、重心を残す位置が遠くなってる…！)」
その出来栄えは教えた張本人の景虎も感心するほどのもの。
外れる可能性は限りなくゼロに近いものであり外れるわけなんてなかった。
「ビデオで見た時もちょっと取ったけどよ…あいつのフォームお前に似てんな？」
「やっぱりそう思う？」
根武谷からの質問に、実渕も同意を唱えた。
「けどまぁ似てるだけだけどね、もし私の形を真似したとしても
とっくに消化して自分に合う形にカスタムしてる別物だわ…。悪くないわね…！
ボール回してね、征ちゃん。」
「もちろんそのつもりだよ、玲央。存分にやるといい。」
コートで繰り広げられるシューター対決
「(マズイ…押されてるのは日向だ。
実渕は徐々にタイミングを合わせてきてる。
いずれ桜井が見せた不可侵のシュート破りに捕まる…！
だがこっちは向かってくるシュート、離れてくるシュート2種類の3Pにまだ対応できていない…！
このままでは……)」
この木吉の予感はすぐに的中することとなる。
「見直したわ、アナタ…思っていたよりずっといいシューターね。だからお礼に、いいもの見せてアゲル♡」
雰囲気が変わった実渕に、彼のことよく知る同じ"無冠の五将"たちはあることを直感する。
「マジかよ、あれ撃つのか！？」
「エンジンかけちゃったのね。」
花宮と枝川の隣できょとんとする山崎に、花宮は渋々説明を始めた。
「滅多に見せねぇんだが…実渕がよく使うシュートは２つある。相手をかわしつつ決めるシュート【天】、相手にあたりながら決めるシュート【地】…だが実はもう１つ…相手に何もさせずに決めるシュート【虚空】。」
「それを引き出させる事は凄いんだけど、攻略は難しいと思うんだなぁ…」
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作者名：ざわわ | 作成日時：2019年2月27日 0時
