【黒子のバスケ】未来へのキセキ XⅠ (ページ24)

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第524Q 好き嫌いページ24

少しオレの、日向順平の話をしよう。

好きなのはレイ・アレン、あと実渕玲央。
いや好意とかそーゆーんじゃなくてシュートフォームの話し。

ただ体格が違うせいかアレンのフォームは何故か真似してもしっくりこなくて、成功率も下がる一方だったのでやむなく諦めた。

だから中学時代真似したのは同世代で1番いいと思った実渕のフォーム。
地区も近かったし試合で見る度、目に焼き付けた。

あいつのフォームは滑らかでかつキレがあってまじでかっこいいと思う。

話は変わって、嫌いなもの……

「え？日向今日あの番組見なかったの？なんだー面白かったのに。」

ありきたりな、いつも通りの日常の1ページ、
廊下で伊月と話していた時だった。

「だって、オネェ系の奴何人も出てただろーが。あーゆー奴ら嫌いなんだよ。」

「そんな全否定しなくても…そーゆー人達もいるでしょーよ世の中。」

「別に否定はしてねーよ、ただ好きか嫌いかってだけの話だ。
女々しい奴は好きじゃねぇの、女々しい男だったら言わずもがなだ。
誰がなんと言おうと嫌なんだよ。」

「日向って告ったりする度胸はないくせに言うことはいっちょまえだよなー。」

「うっさいわ伊月！！」

そして、戻ること現在。
今、日向心境は大変複雑なものだった。

「行くわよ、覚悟はいいかしら？」

「(複雑だぜ…まさか好きなもんの嫌いなもん、実渕が両方兼ね備えた奴だったとわ…)」

実渕はとても体幹が強い。
この時、日向は実渕のファウルを貰いながらシュートを決める4点プレイを警戒していたため、プレッシャーは比較的甘めになっていた。

「ダメよぉ、それじゃ。」

怪しく実渕が笑った次の瞬間、彼のシュートフォームはフェイダウェイ。

フェイダウェイは後方へ跳ぶシュート、力は背中の方に逃げるためシュートを決める際はかなりの筋力が求められる。

ここで驚くべき点は1つ、現在実渕がいた場所は3Pラインより外。

「桜井…？」

同じSGである桜井は目を丸くしていたその様子に思わず若松は尋ねたのであった。

「めちゃくちゃ難しいですよアレ…後ろに跳んで撃つのは思った以上に力が逃げますからね…
3Pなんて届かせるだけでも至難。
それを狙って決めるなんて…相当な距離感とボディバランス……」

1年で桐皇のレギュラーの桜井でさえ驚くこの技術
"無冠の五将"と称されるだけの実力である。