【黒子のバスケ】未来へのキセキ XⅠ (ページ16)

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第516Q 黛千尋ページ16

赤司から出されたパスは木吉がしっかりマークについていた根武谷にだった。

しかし、マークをしっかりと外せていないためパスミスと誰もが判断した。

Aを始め誠凛メンバーの意識がボールと木吉たちの方へ向いた瞬間、彼女の目の前にいたはずの黛が姿を消す。

それは、まるで黒子のように。

木吉の手に向かっていたボールは黛によりコースが変えられフリーであった実渕の元へ。
そのままボールは彼の手からゴールへ納められた。

誠凛メンバーの目は驚きに揺れていた。

「……今のは視線誘導！？」

「コイツは…まさか黒子と同じ…！？」

そう、日向と伊月が口にしたが否定したのは赤司

「同じ…？少し違うな。
彼はテツヤと同じ特性を持ちながら基本性能は全て一回り高くパス以外の技術も苦手がない。いわばテツヤは旧型、黛千尋は新型の幻の6人目だ。」

黛千尋と赤司征十郎の出会いは初夏に差し掛かる前の頃であった。

黒子テツヤと黛千尋の類似点、存在感が希薄であること。
そして、そのことにさほど頓着はなかったこと。

相違点、洛山高校に入学したこと。
彼は黒子テツヤより身体能力に恵まれていたがそれでも強豪洛山においては埋没するしかなかった。

彼の2年時には"無冠の五将"と呼ばれた3人が入部。
彼らはたちまちレギュラーとなりあっけなく追い抜かれた。

3年時には"キセキの世代"の1人が入部。
当然のごとく追い抜かれまたその頃には彼と同学年の部員はきつい練習に音を上げ才能に限界を感じ大半は退部していた。

相違点、彼もまた同様の理由で退部届に署名していたこと。

だがその直後、大きな類似点。

屋上に揺れる黛千尋の灰色の髪、その手には可愛らしい女の子が描かれた文庫本。

「黛さんですか？」

彼の前に現れたのは赤い髪を持つ人物。
左右非対称の目と年齢にそぐわない落ち着きはとても印象的。

「どうも。」

大きな類似点…それは赤司征十郎と出会ったこと。

「やけに馴れ馴れしいな。どうもじゃなくて初めましてだろ。」

「つい先日まで同じバスケ部だったでしょう。」

「覚えていたのか？……珍しいな。オレのことすぐに覚える奴とかあんまりいないんだけど…」

「あぁそれは…知り合いになたとよく似た人がいるからかもしれませんね。
ところでそれはなにを読んでるんですか？」

「ラノベだ。」

また2人の類似点？は本が好きなとこ。