分かってはいたのだ ページ5
「___といっても……私が逃げたらセンゴクさん
の胃に穴が空きかねないな………」
個人の書類を片付けながらため息をつく。
なにか対抗策を練らなければ………
ふと時計を見ると、既に時計の針は八時半を回
っていた。私の出勤時間は九時。そろそろ支度
を始めなければ遅刻してしまう。
ついでにチェンも起こしておこう。
「チェン、起きなー。もう八時半だぞー。」
「ふぁ……おはようございます、Aさま……
ゆめの中でも同じこといってたような……？」
「それは夢じゃないと思う。」
未だに寝ぼけているチェンの服を換えながら、
あることを思い出した。
………チェンに合う服がない。
「あちゃー、すっかり忘れてた。
昼休みにでも買いに行かないとな……。」
とりあえず今は私の予備の服を着せているが、
なかなかにダボダボである。
こんな危ない格好で外を歩かせるわけにはいか
ない。外には狼たちがうじゃうじゃいるのだ。
「わたしは、まえの服でもいいのですが……」
「それはダメ。私の式神として動いてもらうん
だから、ちゃんとした格好してもらわないと
ね。」
お昼までは外には出ないように言っておくか……
「___じゃ、行ってくるね。
誰かにノックされても、何があっても、私が
帰るまではここから出ないように。」
いいね？と念押しすると、チェンは元気に返事
を返してきた。目は大分覚めてきたようだ。
狐面を顔に着け、ドアノブに手をかける。
「いってらっしゃいませ！Aさま！」
「うん、行ってくるね。」
妹がいたら、きっとこんな感じなのだろうと思
いながら、廊下を進んでいく。
なんか、こういうのいいな。
「……っ！Aじゃあないか！」
「じいちゃん？なんでこんな所に……」
あと少しでクザンさんの仕事部屋にたどり着く
というところで、じいちゃんと出くわした。
じいちゃんの仕事部屋は向こうの棟のはずだ。
なにか用事でもあったのだろうか。
「……お前を探しとったんじゃ……！」
「私ですか…いったいなんでしょう。」
なにやら深刻そうな雰囲気だ。いつも能天気な
じいちゃんがここまで………
本当に、なにがあったんだろう。
「お前の弟の……あの、サボとかいう小僧が
おったじゃろう。」
ズキリと、頭に電流が走る。
「……はい、サボが……どうかしましたか？」
じいちゃんは、私の目をしっかりと見つめた。
これだから………なんて、何回言ったんだろう→←普段チャラチャラしている割には変なところで結構親切
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 189人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
セルリーゼさん(プロフ) - どうやってもパスワードが認識できなくなったため、これからはこのアカウントで投稿したいと思います。ご迷惑をお掛けしてすみせん。 (2020年5月27日 6時) (
レス) id: eb9448107f (このIDを非表示/違反報告)
シヲリ(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます！これから物語を進めていく内の視野に入れておこうと思います！これからもご愛読お願いしますね！ (2019年11月25日 22時) (レス) id: eb9448107f (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く続きが楽しみで面白かったです。リクエストで赤髪との再会とマルコとローとの絡みとサッチとエースの救済をお願いします。あとオチが決まってないならローかエースをお願いします。今後も無理せず自分のペースで更新頑張って下さい。 (2019年11月24日 10時) (レス) id: 8276d311bf (このIDを非表示/違反報告)
シヲリ(プロフ) - 灰斗くんさん» ありがとうございます！返信遅くなって申し訳ありませんでした……これからもよろしくお願いします！！ (2019年9月23日 18時) (レス) id: eb9448107f (このIDを非表示/違反報告)
灰斗くん - めちゃくちゃ面白いです！これからも頑張ってください！ (2019年9月21日 21時) (レス) id: 70c0107070 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シヲリ | 作成日時：2019年6月16日 11時
