て ページ7
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「ったく、なんだってんだ……」
大広間に来い、などとアイツ……
ほとんど友人のような関係だが、一応は上司なのだからあんまり命令すんな万斉め。
(……ま、それに従っちまう俺も悪ぃんだろうが)
廊下を歩いていると現れる件の大広間の扉。
首の後ろをポリポリと掻いて、入るぞと扉を開ける。
パァン!
いきなり目の前を色とりどりに染めたものと、軽い破裂音に驚いて目を見張る。
「お誕生日、おめでとうございまっス!晋助様!」
「おめでとうでござる」
「ええ、おめでとうございます。晋助殿」
あ、と過去の記憶が流れてくる。
まるで、いっぱいになった器から零れ落ちる水のように、静かに、しかし激しく。
『おめっとさーん』
鼻ほじりながらどうでも良さそうに言うバカの顔。
夏の暑さ。
あの頃見てた世界の美しさ。
そして
『おめでとう、晋助』
柔らかく揺れる、栗亜麻色の、髪。
「……あの、晋助様……?」
「あ、ああ……驚いただけだ。ありがとうなァ、また子。てめぇらも」
見渡すと、嬉しそうに笑う隊員達。
最初に比べたら、随分大所帯になった物だ。
ふ、と思わず笑みが零れる。
(……まあ、今日くらいは)
こいつらの好きにさせてやるか。
なんて柄じゃない事を思いながら。
俺は飾り付けされた大広間に足を踏み入れた。
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沖田レイア(プロフ) - まめさん» まめ様!ありがとうございます!今日はみんなで晋助様のお誕生日をお祝いしましょう! (2020年8月10日 17時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 凄く高杉さんへの愛を感じました。。 泣きました。とても良い作品をありがとうございます! (2020年8月10日 11時) (レス) id: 857664c7be (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - Sakura様……!なんと早いコメント……!ありがとうございます!すごく嬉しいです! (2020年8月10日 0時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - めちゃめちゃ感動しました…!!!!!素晴らしい作品をありがとうございますッッ (2020年8月10日 0時) (レス) id: 321ab1938b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年8月10日 0時