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一方その頃本物は… ページ22

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ゆっくりと意識が覚醒して行った。
目を開ける。
鈍い痛みが後頭部を襲った。

確か俺は西に向かう途中…何かに殴られて気を失ったのだ。
多分、位置的に考えてAだろう。
とりあえず手を解放したかった。
ギシギシと動いていると、意外とすんなり取れて。
そこでふと、いつも羽織っている白い着物が無いことに気がつく。
Aがとって行った?なんの為に?

疑問は腐るほどある。
何故気絶させるだけで殺さなかったのか。
何故わざわざ見つかりにくい茂みに転がして置いてくれたのか。
エトセトラ、エトセトラ。

まぁ考えていても仕方ない。
とりあえず動かないと。
幸いにも刀は取られてないし。

そっと物陰にかくれながら様子を伺うと、どうやら戦争は決したよう…というか、生きているものが一つも居なかった。
死体、死体、死体。
死体のオンパレードとはこの事か。

(取り敢えず、西の戦線に行ってみるか)

ここからそう遠くは無いはずだ。
刀に手をかけながら俺は死体の上を走った。







死体を見て行った。
その、何処にもAは居なかった。

(あいつは敵、だったのか?)

勿論この山のようにある死体の中、俺が見つけられてないだけかもしれないが。

「う…ぎ…とき、さ…」

「どうした。」

冷たくなりかけた手をしっかりと握って、その口元に耳を寄せた。
腹に大穴の空いたこの男は、助からない。

「Aさ…」

「ああ」

「むこ…たす…け…」

その言葉に驚いた。

「Aは裏切り者じゃ無かったのか?」

「わか…ませ…でも…い、ひと」

「わかった。ありがとな」

「ぎ、ときさ…生き残って…」

「うん」

「生き残って…くだ…さ…」

そのままぐるりと目が落ちた。
瞼を閉じさせて、少しだけ合掌。
そして、立ち上がった。

(A。お前は何者だ?)

とにかく、俺は走った。
間に合うように、祈りながら。




ん?何に?

.→←身長が低めなのは気にしないで


今日一番貴方を癒してくれる高杉

キセル高杉


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美結菜 - とても面白かったです!完結おめでとうございます!沖田レイアさんの作品は全部見ました。とても好きです! (2023年2月13日 17時) (レス) @page29 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - tさん» ありがとうございます!本当にいつも励みになっております! (2019年6月16日 21時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
- 言葉にならないほどサイコーでした! (2019年6月16日 20時) (レス) id: 98ce886fc4 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - こんな勝手な駄作者に暖かいコメントを書いて下さって本当にありがとうございます!もう、本当に神様です (2019年6月3日 18時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - こんなにいい作品をありがとうございました! (2019年6月3日 16時) (レス) id: 99b24daa8e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沖田レイア | 作成日時:2019年2月24日 20時

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