七匹 ページ7
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「もしかして、おうのさんは新米達に『鬼兵隊にいる女の中では私が一番偉い』とでも教えたんじゃないかしら?」
また子ちゃんはハッと顔を上げると、驚いた表情を隠そうともせず。
「確かに……それなら辻褄が合うっス」
と、呟いた。
一番目上の人に媚びを売るのは普通だし、
戦場にも出ず、書類仕事といっても自室でこなす私は確かに『最下層の女』と思われるのも無理は無いだろう。
だからやたらと舌打ちされたりしたのか……
鬼兵隊のお荷物だと誤解されて。
(はぁ……頭の痛い話だ……)
おうのさんも、考えて欲しい。
私だけへの牽制なら別にいい。鬼兵隊を指揮する訳でもないし。
嫌がらせを受けるとか、悪い噂を流されるのは気にしなければいいだけだからいいんだけど。
また子ちゃんにまでそれをやられると、隊の指揮にも関わってくる。
そういうのは、まじでやめて欲しい……
「私、許せないっス!A様を悪者にして……!晋助様に直談判っス!」
「まあまあ、それに関しては私が気にしてないから良いのよ。で、も」
すっと目を細めて笑う。
それを見たまた子ちゃんが瞳に驚きと恐怖をたたえて固まるんだから、今の私は余程怖い顔をしているんだと思う。
実際、かなり怒っている。
「でも、『鬼兵隊で一番目上の女』って言うのは聞き捨てならないよね」
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coma7672(プロフ) - すいません!前のコメント間違えて送信してしまいました、、お話最高すぎます!更新楽しみにしています!! (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
coma7672(プロフ) - 高杉晋助 (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年1月12日 19時