二十四匹 ページ24
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その数週間後、地球に立ち寄った時にその少女は船に乗ってきた。
「はじめまして。これからお世話になる、谷のぶです。よろしくお願いします」
おっとりと穏やかに微笑む人だ。
妹気質というか……
おうのさんとはまるで正反対。
おうのさんが頼れるお姉さんだったら、この人は守ってあげたくなる可愛い妹、って感じ。
「こちらこそ、よろしくお願いします。おのぶさんとお呼びしてよろしいですか?」
「はい!ええと、あなたは……」
「あ、申し遅れました。私は高杉Aです。こちらはおうのさん。あなたの姐にあたる方……ですかね」
あなたの他にも愛人がいます。なんて。
こんな少女にズバッと言える訳がない。
なんとなーく伝わってくれないかな、おのぶさん。
「まあ、そうなのですか!私ずっと姉が欲しかったんです。よろしくお願いしますね、おうの姉様」
と、キラキラした眼差しで言うおのぶさんにおうのさんはうっと罰が悪そうに目を逸らした。
なんだかんだ、面倒見がいいのだこの人は。
この数週間仲良く過ごさせてもらったが、とても気風がいい人で、優しくて世話焼きさんだ。
私が年下だと知ってからは何かと気にかけてくれるし。
そんな人がこの少女を粗雑に扱える訳が無い。
(まあ、それに)
谷家と言えば有名な呉服屋だ。
晋助様は多く語らないが、多分繋がりの欲しかった谷家に押し付けられたのだろう。
その証拠に、本人この縁談はあまり気乗りがしないらしく、おのぶさんをお出迎えして直ぐに自室へ引っ込んでしまった。
(つまり、ライバルでは無い)
だから、心配するような事にはならないでしょ。
今もほら、姉様って呼ばれておうのさんが照れてる。かわいい。
今度から私もおうの姉さんって呼ぼうかな。
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coma7672(プロフ) - すいません!前のコメント間違えて送信してしまいました、、お話最高すぎます!更新楽しみにしています!! (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
coma7672(プロフ) - 高杉晋助 (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年1月12日 19時