宵六つ ページ6
にしても、カナヲさん可愛いなぁ。
ちらっと顔を見たが、思わず頭を撫でたくなる衝動に駆られた。
撫でられなかったけど。撫でたかったけど。
密かにしょげながら、カナエの元へと戻った。
「おかえりなさい!座って座って!」
私たちがカナヲさんを迎えに行ってる間に用意したのか、湯呑みと摘めるくらいの菓子が幾つかある。
「姉さん、話って何するの?」
「ん〜?女の子だけで話すことって言ったら……ね?」
嫌な予感がする。全力で帰りたい。
私にはその話題について話せることが一切ない。というかまず声出せない。
よし、カナエに注意がいってる今なら逃げられる。
立ち上がり、こっそりと戸を開けようとした時、どこからか腕を引っ張られた。
ギギギッと震えながらそちらに視線を向けると、しのぶさんの黒い笑みがありまして。
「どうなさったんですか?Aさん」
こういう時だけ名指しとかずるいじゃないかしのぶさん。
明らかに目が笑ってない。
「あなただけ逃げるつもりですか。私だって話したくなんかないです」
耳に口を寄せられ囁かれたけど、知らないですそんなこと。
離せと言わんばかりに首を振ると、しのぶさんは別の方向に顔を向けて、
「姉さん!Aさんは話したくて話したくて仕方ないだって!」
「!?」
「あら〜!そうなの〜?伝えてくれればいつでもお話できるのに、Aちゃん実は照れ屋さんなのかしら?」
違う!
再度大きく左右に首を振ってみるものの、
「ほら!喜んでる!」
「あら〜!!」
どこをどう捉えたら私が喜んでるように見える!?
チラッと横を見れば悪い笑みを浮かべてるしのぶさんがいた。
ゲスい、ゲスいぞ!しのぶさん!
もう頼みの綱は、カナヲさんしか……!
「……プイッ」
気まずそうに顔を逸らされたんだが。
禓黒A、打つ手無し!!!
しのぶさんが(逃がすものかと言わんばかりに)急遽用意した紙と筆を差し出され、絶望の淵に立たされる。
「じゃあAちゃん。私前から、気になってたことがあるの」
それ以上言わないでという意思表示は全く伝わらず、カナエは言葉を放った。
「Aちゃんって、化粧してるの?」
バンッ!!!
想像していたのと全く別の質問で、先程まで奮闘していたしのぶとAは二人仲良くちゃぶ台に頭をぶつけた。
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息抜き(プロフ) - カカさん» コメントやお星様までありがとうございます、頑張りますね(*_ _) (2020年1月14日 1時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
カカ(プロフ) - 主人公の周りのキャラの優しさが滲み出ててすごいよきです、、、。見る度にお星様を押してしまいます。更新の方無理をなさらずに頑張ってください! (2020年1月14日 0時) (レス) id: c193d50bb9 (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - ばぐさん» コメントありがとうございます。私もコメントが来る度に飛んで喜んでます。頑張りますね<(_ _)> (2020年1月8日 18時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - とても面白くて通知が来る度 飛んで喜んでいます!これからも頑張ってください! (2020年1月8日 18時) (レス) id: c64457db9e (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - 無気力人間Aさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります<(_ _)> (2020年1月7日 19時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:息抜き | 作成日時:2019年12月2日 1時