【鬼滅の刃】幸せ者の胃は崩壊寸前

宵二十四 ページ24

煉獄家にて。


「ただいま戻った！！」

門を潜り、Aの首根っこを掴んだまま叫ぶ煉獄杏寿郎。

そして、一歩踏み出した時、




「＿＿話しかけるなッ！！」


怒号が響いた。


何やらただならぬ雰囲気に、Aも向かおうとするが、杏寿郎に止められる。

「すまない！！少しばかり待っていてくれないか」

有無を言わさず、彼は行ってしまった。



今の、槇寿郎さんの声、なのか？



「知り合いだと？俺を哀れんでの事かッ！！」

気になるどころじゃない。行こう、行かなければ。

「さっさと出て行けッ！！！」

襖を勢いよく開ける。瞬間、Aの視界に映ったのは杏寿郎でも槇寿郎でもなく、


「危ない！！！」


投げられた徳利だった。


気づいた頃には顔面とごっつんこしていて。

「禓黒殿！！！」

廊下にぶっ倒れ、耳元で叫ばれついでに鼓膜も破れかけている。もうやだ。


「よう、こく？お前、まさか……」

「あの、その方は……」



「禓黒A、鬼殺隊最強の柱だ！！！」



あの、こんな無様な姿でそんな紹介しないで。色々抉られるから。


「A？んなわけないだろう！！Aはこんな陰気なやつじゃない！！」


いや余計だわ。てかもうこの家族声デカすぎて鼓膜が、鼓膜が胃よりも先に消える。


「だが！！おじいちゃんのような存在だと仰っていた！！知り合いであることは間違いない！！」

「ふざけるな！！こんなやつ知り合いでも何でもない！！」

「わわわ！二人ともお客様の前です！！おやめ下さい！！！」



Aはボロボロである！！

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