【鬼滅の刃】幸せ者の胃は崩壊寸前

宵二十二 ページ22

同時に首を刎ね、鬼は消滅した。

一人の鬼に対して、これほどの仕打ち。最早かわいそうである。


「「……」」


熱っ！そんな熱い瞳で見つめられたら私っ！！なんて冗談はさておき。

焦点の定まっていなかった瞳は、確実に私を映していた。



「よもやッ！！！」

いや耳が痛い。無言だぁと思ってたら急に叫ぶの心臓と胃に悪すぎる。



「禓黒殿は俺の攻撃に合わせてくれたのか！！」

「……」

「まるで、最初から炎の呼吸の型を知っていたかのようだった！！」


あ。


「質問を変えよう！！俺の父、煉獄槇寿郎を知らないか！！」


心底顔が見えなくてよかったと思う。いま無表情が無表情じゃなくなってる。


「今すぐ！！来てもらいたい！！」

でかいでかい、鼓膜破壊王か何かですかあなた。そんだけデカけりゃ嫌でも伝わるから。



「これで父上と話ができる……」

……別人みたいに声が小さくなったんだけど。そんな日中叫んでいるような人が途端にぶつぶつ呟き出したら困っちゃうんだけど。


要するに、心配しているのである。



「む？禓黒殿、何を書いて……槇寿郎さんは元気にしているか……」


コクコク頷く。すると彼は一瞬困ったように笑い＿＿



「うむ！！病気はしていない！！」



今までのように、大声でそう言った。

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