宵十七 ページ17
「禓黒、好きか?」
「……」
「そうか、俺もだ」
※二人は鮭大根を食べているだけです。
「……」
「なに?悪い子だな。仕置きだ」
※Aが好き嫌いして、冨岡さんがそれを咎めているだけです。
「どうして会話が成立してるのかしら……私がおかしいんだわっ、きっとそうだわっ」
二人の会話が異次元なのもそうだが、それで続けられていることにカナエはついていけてないのだ。
しかもさも当然のごとく二人はやっているわけで、カナエが自分がおかしいのかと混乱するのも無理はない。
「……」
「そう拗ねないでくれ」
似たもの同士、何か通じるものがあったのかもしれない。
「__ところで、冨岡さんは何か用事があったんじゃないのかなー?」
やんわりと話をすり替えるカナエ。
「たまたま見つけた。禓黒に用事があったんだ」
いや言ってることが矛盾してる、とカナエは頭にハテナを浮かべる。
だがAは、少しの時間を共に過ごしただけで、冨岡さんの言葉を完璧に解釈できるようになった。
前にも言った通り、彼女は他者への観察眼が鋭い。そういう理論でいくと、冨岡さんはもっと凄いことになるが。
「Aちゃんに?」
カナエはもう気にすることを止めたらしい。
「ああ……禓黒、これを受け取ってくれ」
「?」
「えんぴつという、墨要らずで書けるものだ。港町で見つけた」
それで、わざわざ私に買ってきてくれたのか。
「声が出ないのなら、いい」
ふむ。『声が出ないのなら、このえんぴつで伝えたいことを書けば、いい』という事か。
試しに書いてみたいな。
紙とそのえんぴつとやらを貰い、今の気持ちを書き写す。
「禓黒……」
「Aちゃん……」
Aが書いた文字に、思わず感激する二人。
__ありがとう
二人に向けた想いだった。
「Aちゃん好きよ〜!!」
Aに飛びつくカナエ。その光景をどこか羨ましそうに見つめる冨岡さん。
そして、ちょっぴり嬉しそうに頬を染めるAであった。
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息抜き(プロフ) - カカさん» コメントやお星様までありがとうございます、頑張りますね(*_ _) (2020年1月14日 1時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
カカ(プロフ) - 主人公の周りのキャラの優しさが滲み出ててすごいよきです、、、。見る度にお星様を押してしまいます。更新の方無理をなさらずに頑張ってください! (2020年1月14日 0時) (レス) id: c193d50bb9 (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - ばぐさん» コメントありがとうございます。私もコメントが来る度に飛んで喜んでます。頑張りますね<(_ _)> (2020年1月8日 18時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - とても面白くて通知が来る度 飛んで喜んでいます!これからも頑張ってください! (2020年1月8日 18時) (レス) id: c64457db9e (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - 無気力人間Aさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります<(_ _)> (2020年1月7日 19時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:息抜き | 作成日時:2019年12月2日 1時