＊プロ野球＊ ~短編集~

妹ちゃん L10 ページ25

10「やばい」

33 「どうしたん」

10「妹来るの忘れてた」

俺には5つ離れた妹がおる




関東の大学に行きたいから今日はオープンキャンパスを見にこっちに来てるらしい





おかんが『心配やからよろしくね』と頼まれてしまいこっちにいる間は俺の家に泊める事になった




33 「忘れんなよ、Aちゃん試合見に来る?」

10「あー聞いてないわ」

33「今からでも遅くない聞け」

10「は、はい」


なんなんこの人、めっちゃ急かして来るやんと思いつつLINEを開き【試合見る?】と簡単に文字をうち送信した




33「アイコン妹ちゃんやろ?」

10「そうっすね」

33「似てないよなあ」

10「身長も平均以上あるし鼻もにんにくじゃないし覚醒遺伝やばい」


10「でもこれ」

カメラロールを遡って去年実家に帰った時撮った写真を山川さんに見せた




10「笑った顔はそっくりとちゃいますか？」

33「確かにこう見るとやっぱ兄妹だな」



10「返信きた」


【いいの!?見たい!!】


【じゃあ手配してもらうな】


33「どうだった」


10「見に来ます」


33「おーいみんな明日友哉の妹来るぞー」

山川さんがそう言った瞬間ロッカールームにいた人達が食いついた。


6「えっどんな子?」


10「うーん」

37「めっちゃええ子こいつに爪の垢を煎じて飲ましてやって欲しいくらいええ子」

急に話に入ってきた上に、めっちゃ失礼なことをサラッと言う岡田さん

10「岡田さんうっさいわ安定のうるささキープ」


37「うわあ妹ちゃんと中身入れ替わらんかな」

6「岡田さん会った事あるんですか？」

37「家族で試合見に来た時に１回とこいつが電話しとる時に乱入して話したくらい」


6「うわ乱入したんですか」


10「A引いてましたよ」

37「嘘!?謝ろ」

10「誰も岡田さんに会わせるなんて言うてない」


37「友哉くーんAちゃんに会いたいですー」

10「きしょ勝手に会ってくだだい」

37「舐めた口聞きおってほんま俺先輩やで?」

10「はいはーい」

6「明日猛打賞＋盗塁決めよう」

33 「ホームラン打とう」

37「監督に明日スタメンマスク被れないか直訴しに行こ」

10「岡田さん絶対あかんから、そんな事したら二度と口聞かんし、Aにデタラメ吹き込む」

37「ともやくんごめんなさい」


6 「Aちゃんの名前出されたら弱すぎじゃないですか」

ケラケラと笑う源田さん

それだけAがチームメイトから好かれてると思うと、やっぱ兄として嬉しいけど岡田さんだけはあかんわ

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