Ich liebe dich 【王室教師ハイネリヒト】 (ページ5)

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★3話★ 朝ページ5

ふわりふわりと風が吹き、朝の音が耳をくすぐる。その音に誘われ、ゆっくりと目を開ける。

朝の気持ちいい空気にもう少し微睡んでいたいが、そうもいかない。

朝ごはんを作って、弟を起こして、ご飯を食べさせ、服を着替えさせる、とすることが山積だ。

まあ、朝ごはんを作ると言っても、私と弟の分の二人分しかない為、そう多くないが。

それから、私は今日から始まる新しいお仕事の挨拶に行かなければならない。

今日から、知り合いの、正確に言えば父の知り合いであった、フェリクス・ゾンマーという人のところで働くことになっているのだ。

彼はカフェを経営しているらしい。

人のいい感じの男性で、父がなくなった時も色々とお世話になった。

その話はまた後にすることにして、とりあえず起き上がることが先決だ。

まだ眠っていようよーと誘惑してくる布団に別れを告げ、起き上がる。

メガネをかけて、ぐっと背伸びをしてから、キッチンへ向かう。

「今日の朝ごはんは、何がいいかしら…」

ただでさえ生活費がかつかつなのだ、出来うる限り節約しなければ、と思いつつ家にあるものを物色する。

「……とりあえず、パンと…それから、卵はオムレツにして…」

とメニューを次々と考えていく。
メニューが決まれば後は早い。

料理は苦手な方ではないし、せざるを得ない状況で生きてきたので難なくこなせるようになった。

パッと料理を作り終えると、皿に盛り付ける。

そうしていると、

「おはよぉ…」