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【番外編】関係性が入れ替わった場合 ページ14

「一松せんせー、今日もイケメン! かっこいい! 好き!」
「うるさ……」
怪訝そうな顔でわたしを見つめる一松先生は今日も物凄くかっこいい。
むしろその嫌そうな顔が好き。
禁断の恋に憧れて早数年、ついにわたしはこの白衣の天使に恋をしている。
「一松せんせーデートしようよ」
そう言えば一松先生はえ、とやけに濁った声を出し振り返った。

「……気でも狂ったの?」
一松先生は天使のお召し物を翻して椅子に座ってコーヒーを啜った。
「狂ってない! せんせーとラブラブしたい! 信号待つ度にちゅーされたい!」
「……」
「ねえ待ってひかないで」
一松先生はわたしの存在などなかったようにはあとため息をついて遠くを見つめる。
「うー、デート……」
「行かないから」
「うん……」

一松先生のつれない態度は今日に始まったことではない。むしろそれが好き。
しかし今日のわたしは本気でデートしたいと思っている。
なにせ周りの女子みんな彼氏が出来たからだ。
「彼氏欲しい……」
「え、彼氏欲しいの。俺は?」
一松先生が慌てて言い放ったその一言に、わたしはぽかんと口を開けた。
「そ、それはどういう……」
「あ……。間違えた、忘れて……」
「わ、忘れない! どういう意味ですかー!」
先生の元に駆け寄って問い質す。

「いや……。Aさんに彼氏が出来たらうるさいひとがいなくなっていいなって……」
「違うでしょ? わたしが居なくなって寂しくなるんでしょ! わたし知ってるー」
「……」
何気ない一松先生の本音にたまらずドキドキする。
「……Aさんいつにも増してうるさい」
「知ってるぅー」
「俺仕事あるから、静かにして貰わないと困るんだけど。どうすれば静かになる?」
「えー? そうだなー……。ちゅー……」
そう呟くと、一松先生はん、と言って立ち上がり、わたしのおでこにちゅーをした。
「えっ、えっ?」
「うるさい」
「は、はーい……」
真っ赤になった顔を隠しもせず、わたしは幸せな気持ちで一日中おでこを触っていた。

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海柄  - この作品…神すぎます……凄いです!いつ見ても癒されるぅ〜!投稿お疲れ様ですっ!!次の投稿待ってます!ファイトっᕦ(ò_óˇ)ᕤ (2022年4月9日 8時) (レス) @page17 id: c80b266ed1 (このIDを非表示/違反報告)
MATSUNO NANA(プロフ) - もう、続きは書かれないのですか?いや、すみません。気長に待ってます。楽しみにしています! (2021年5月4日 17時) (レス) id: 288501894e (このIDを非表示/違反報告)
小森桃子(プロフ) - ZUNさんは神なのだwさん» 神だなんて……。ありがとうございます! これからも喜んでいただけるよう頑張ります (2019年6月21日 17時) (レス) id: a15aeb4942 (このIDを非表示/違反報告)
ZUNさんは神なのだw - 一松可愛いすぎでしょ!作った人…神じゃん! (2019年6月21日 17時) (レス) id: edb9ce2cd8 (このIDを非表示/違反報告)
小森桃子(プロフ) - 憂月さん» ありがとうございます!私自身も萌えてます(笑) (2019年4月26日 19時) (レス) id: a15aeb4942 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小森桃子 | 作成日時:2019年3月26日 10時

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