好きだよ、レオくん３【佐野玲於】

まっしろ ページ8

Reo side


目を覚ますと、Aのシングルベッドに
ふたりでぴったりくっついて寝てた。
だからめっちゃあったかい。
このままベッドから出ないで、仕事も休んで、
ずっとこうしてたいくらい。

ホノカの罪悪感からか、Aと一緒にいるときは
いつもよりAを求める自分がいる。
こうやってずっと抱きしめてるし、
キスだっていつもよりも長いやつ。


「A、7時だよ。起きて」

「……起きてる」

「目が開いてませんけど」


両手でほっぺを横に引っ張ると、
開いてるもん、なんて言って布団を頭までかぶる。
まじ子供。こういうところ、小学生みたい。


「…じゃあ10秒以内に起きなかったら、キスする」

「………」

「じゅーう、きゅーう、はーち、なーな___

「起きたから…起きたってば」

「はい、おはよ。」

「おはよ。」


俺がAを起こす側。
なんか…新鮮でなんかいいな。
寝起きのA見られるの、結構いい。
いつも俺が起きたら、髪一つに結いちゃってて、
朝ご飯とか作り始めてるし。


「…ねぇ玲於くん」

「ん、なに」

「………婚約者、って…なに？」


真っ直ぐなその視線が、突き刺さる。
なんか言わなきゃ、誤魔化さなきゃって、
頭フル回転させるけど、なんも出てこなくて。
朝だし、意味わかんないし。


「……ホノカさんと、どうして、」


なんで知ってんの、って言葉すらも声にならない。
頭真っ白ってこういうことだと思う。


「……急にごめん、忘れて」


Aが出ていった寝室で、体も動かなかった。
あぁ、バレちゃった。
一番俺が恐れてたこと、起こっちゃった。
でもなんで…なんでAがそのこと知ってんの。

このまま別れるとか言われたらどうしよう。
そうなったら、俺…嫌だとか言える権利ないわ。

約束→←このまま

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