好きだよ、レオくん３【佐野玲於】

冬の道 ページ25

Reo side



隼の家でて、家に帰る途中の道。

いつもならタクシーで帰ってたこの道。

今日はなんとなくだけど、歩いて帰る気分で、
普段はしないマフラーつけて、そこに顔うずくめて、
ポケットに手突っ込んで。

それで思い返されるのは
さっきまで話してた隼じゃなくて、あいつのこと。
いつも俺の二歩後ろを歩いてた、Aのこと。


いつかあいつに私は玲於くんに依存してるって、
そう少し寂しそうな表情で言われた。
そのときはどうとも思わなかったけど、
依存してたのは俺の方だったのかもしれない。



何度消そうとしても、連絡先消せないところとか
…いや、それどころかトーク履歴とか、
そういうの見返してたり。たまにだけど。

俺があげた唯一お揃いのピンキーリング
やり場に困って、結局いつもポーチの中入ってるし。

あいつが好きだった食べ物とか、香りとか、
全部全部思い出しちゃったり。



今また、もし会えたら

俺…ちゃんと謝りたいな。



最後まで幸せにしてやらなくてごめん、って



でもきっと、またあいつ目の前にしたら
俺はなにもいえないんだろうけど。

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