守る ページ18
Reo side
1週間前、ホノカの母親が亡くなった。
本当にあっさりと…静かに、この世を去った。
ホノカは一気に衰弱して、この1週間はほぼ何も
口に入れていないに等しかった。
ほんとに、倒れちゃうんじゃないかって
ずっとそんなふうに思ってた。
そんな中抱いた感情は、
こいつは俺がいなきゃダメだってこと。
だって俺が見張ってなきゃ、飯だって食わないし、
なんもしない。
俺が…俺がいなきゃって思いだけが突っ走った。
「……別れよ、A」
そう、これはAのためでもあるから。
俺はAを泣かせてばっかりだから。
…幸せになんて、できない。
だって俺は、ホノカの側にいなきゃいけない。
「…いや、なんで…っ」
俺の腕を掴んで、思いっきり抱きついてくる
Aに、心が痛めつけられた。
「おばさんが死んだんだ、
だから、あいつ…ホノカの側にいなきゃ、俺が。」
「…いゃ、玲於くんの側にいたい…っ」
泣きじゃくって、子供みたいに泣いてて、
でも俺は抱き返すことなんてできなかった。
俺には…そんな資格なんてない。
「俺が今、守らなきゃいけないのはホノカなんだ」
「私も玲於くんに守ってもらわなきゃダメ…っ
玲於くんがいなきゃ…」
「…ごめん、別れよ」
この言葉を言うか言わないか、ずっと考えていた。
_______" 玲於、私もう…いなくなりたい "
_______" 殺 してよ、私のことなんか "
ホノカが、ホノカじゃないみたいになって、
そんな言葉を投げかけられるたびに、
やっぱり俺が守らなきゃ、って思いは強くなった。
それでも、Aの想いはそれと同じくらい…
いや、それ以上に募ってしまう。
当たり前だよ、だって好きなんだから。
玲於くん、って呼んでくれるその声も
喜怒哀楽が激しすぎるところも
ごめんねとありがとうがすぐ言えるところも
単純すぎるところも
……こんな俺を、好きでいてくれるところも
「俺には幸せにできない」
「…玲於くんじゃなきゃ、私は幸せにならないの…」
「…… Aの周りにはいっぱいいるよ」
そうだよ、Aの周りには俺と違って、
守ってくれる人がたくさんいるじゃん。
よくわからないけど、あの美容師のナルセって人も
裕太くんも、俺より良いと思う。
「ごめんね、」
どうか、幸せになってください。
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LEN(プロフ) - 二人の関係が今後どうなるか物凄く気になります。 ゆっくりでいいので更新楽しみにしてますね。 (2020年2月13日 23時) (レス) id: 75d869de6b (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - この作品大好きで最近更新心待ちにしてます!頑張ってください! (2020年2月1日 23時) (レス) id: 15f372c01a (このIDを非表示/違反報告)
なつき - この作品大好きです!スランプ大変かもしれませんが、ずっと読み続けます。リアルでストーリーも大好きです (2020年2月1日 10時) (レス) id: 51c945f113 (このIDを非表示/違反報告)
あき - 更新嬉しいです!お忙しいかと思いますが、楽しみにしています! (2020年1月27日 1時) (レス) id: a756f2870a (このIDを非表示/違反報告)
かな - 仕事から疲れて帰ってきて、寝る前にいつもごろんして楽しみにして読んでます! (2020年1月8日 0時) (レス) id: 388e5f00f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふたば | 作成日時:2019年12月30日 22時