僕の恋愛のお話。【実話】

初恋、、、？ ページ2

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僕の初恋の相手は、女の子でした。



最初は、名前も知らない、出席番号の席が隣なだけの、ただのクラスメイト。


第一印象は、良く言えば「人懐っこくて、明るい、元気な子」。

悪く言えば「馴れ馴れしくて、うるさい、騒がしい子」。




初対面から「あくびの唇が可愛い」と静かな教室で騒ぎたて、大したことのないことで大笑いをし、

そして人との距離の詰め方が異常な女(ヒト)でした。




最初は正直、苦手なタイプだったのであまり関わらないようにしようと思っていたのですが。
そんな僕の目論見は彼女(コミュ力おばけ)によって一瞬で打ち砕かれました。



その圧倒的なコミュニケーション能力で僕との距離を一瞬で詰めてきてから、

なんとなく話すようになって、一緒にいる時間が増えていきました。



よく二人でいるようになり、彼女からはなぜか毎日「好き」と言われる日々。

教室移動は常に一緒、何もなくてもハグをするし手も繋ぐ関係。



そんな関係が当たり前になって、最初は嫌だったはずなのに、

僕は彼女の隣の居心地の良さを感じてきていました。




女子校なので、色恋に飢えていた同級生たちがふざけて僕らのことを


「カップルだ」


などと囃し立て、いじってくるようになるまではそう時間もかかりませんでした。





僕は言動が男っぽいという理由から、「彼氏」。

彼女はもちろん、「彼女」。





僕はこの頃から、女である自分に違和感を感じたり、

女として扱われることに嫌悪感を持つようになってきていて、

「男らしくあること」に固執するようになっていました。




これまでと代わり映えない、友人の一人になるはずだったのに。


人懐こくて明るくて元気な彼女の笑顔に、いつの間にか惹かれていました。


気づいたら彼女は、僕の中の唯一になっていました。




もちろん、初恋がまだだった僕にはこの感情が何なのかさえわかりませんでしたが、

友人と彼女からのある言葉で、僕は初恋を自覚することになりました。



いつも通り、移動中に手をつないで歩いていたときのことでした。

手をつないでいる僕らを見た友人から、

「あくびが男だったらよかったのにね」

と言われ、傷ついた僕は全てに気が付きました。



彼女のことが恋愛対象として好きだ、ということ。



そして、彼女のことを”男”として好きになった、ということを。



僕はこのとき初めて恋を自覚し、自分のジェンダーを認識するようになりました。

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