Prologue ページ1
ドゴッ…！
毎日、毎日親に殴られる。水につけられる。
とある日には冷たくなっている兄弟の姿があった。
よく見なきゃ。相手の動きをよく見なきゃ。
でないと、次の日には冷たくなってしまうから。
痛い、苦しい、寂しい、悲しい、お腹が空いた。
そんな地獄のような日々だった。
そしてある日、プツンと音がして何も辛くなくなった。
貧しい暮らしの中、親に嫌われて売られたときでさえ、
悲しくはなかった。
私が連れてこられたのは、夜でも眩しいくらいに明るい街だった。
遊郭。
それが私の与えられた居場所。
夜は昼よりも賑わっていた。
私を買ってくれた店の名は「ときと屋」。
遊女の人達が汚くてノミだらけだった私をお風呂に入れてくれた。
傷んだ髪を切って、髪型を整えてくれた。
「女将さん！この子、綺麗にしたらとても可愛くなりましたよ！」
遊女の一人がそんな事を言っていたような記憶がある。
女将さん「いいかい？アンタの名前はAだよ」
名前も持っていなかった私にときと屋の女将さんはそう言った。
鯉夏花魁「Aちゃんは今日から私の禿になるの。
よろしくね」
私は鯉夏花魁の禿として暫く働いていた。
鯉夏花魁はとても優しい人だったのを覚えている。
でもある日、私は「京極屋」へ引き取られる事になった。
何故かは分からないけど…。
蕨姫花魁「アンタ、私の禿になりな」
そして、私は吉原遊廓随一の花魁・蕨姫花魁の禿となった。
蕨姫花魁「Aは働き者だね。お菓子をあげようね」
蕨姫花魁は自己中心的だと言われている人だったけど、
私を一番可愛がってくれる人。
A「蕨姫花魁、お着物をお持ちしました」
私を可愛がってくれる人を私も一番慕っている。
A「私は蕨姫花魁の禿・A」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1152人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜餅🍎🍡🐾🐼 - 初コメですが、ずっと読ませて貰ってました！予想外の結末でしたが、凄く面白くて、自分の中でも色々想像してしまいました(〃ω〃) (3月28日 23時) (
レス) @page37 id: ad99f89c7d (このIDを非表示/違反報告)
こだぬき(プロフ) - 完結お疲れ様でした、主人公さんが幸せになれて本当に良かったです…！素敵な作品をありがとうございました。 (3月26日 22時) (レス) id: df107beb4b (このIDを非表示/違反報告)
はる - やば、めっちゃ最高…!!ゆっくりでいいので更新待ってます‼ (3月20日 13時) (レス) @page29 id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
Yuuna - がんばってください！！ (11月25日 18時) (レス) id: 41e2acbfbe (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - すき。、。 (11月23日 10時) (レス) @page28 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しいな | 作成日時：2023年2月26日 19時
