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A視点

入間くんは恐る恐る,壇上へあがる。
たくさんの悪魔達が見上げてザワザワと騒ぐ。

──おお,本物だ。写真と同じ。

──ひょろいな。強いのか?

──理事長の孫だぞ。強いに決まってんだろ。

──見ろ。この観衆を前にして,微動だにしないぜ。

入間(ノープランすぎて,1ミリも動けないだけだよ・・・・・・)

入間くんはまるで石のように固まっていた。
大丈夫かな?
すると,突然入間くんが制服のポケットを探り始めた。

祝辞だ!

おじいちゃんから貰った祝辞を入間くんは読み始めた。

入間「・・・・・・『あべるはぅけ』」

とたん。

ピクッ! 騒いでいた悪魔達が,いっせいにふるえだす。

入間「『たうとぅだり』」

しーん・・・・・・。
みんな,静まりかえってしまう。

入間「『いうさべべ』」

ゴクッ,とつばを飲んでいる。
入間くんも気になっているようだが,そのまま続けている。

入間「『りすとぅる』,『あぶるぜ』,『すとぅまぬ』,『あべるげ』」

悪魔達が,食い入るように入間を見上げているのだ。目付きが尋常じゃない。

入間「『うる』」

固唾を飲んで見上げている。

入間「『まほらば』」

胸をおさえている悪魔がいる。口元をおおっている悪魔がいる。

入間「『つれざざ』」

読み終わった。・・・全然意味がわからない。
・・・しん。
会場が,水を打ったように静まりかえり。

『ワッ』

と大歓声。
スタンディングオベーション。
みんな,諸手をあげ,親指を立てて,大興奮で叫んでいる。

「『禁忌呪文』を唱えるなんて,よほどの物知らず(バカ)か,命知らず(戦士)と言われてますからなぁ。」

えっ!?あれって禁忌呪文だったの!?
じゃあ,僕の手元にある祝辞も?
そう思って,恐る恐る祝辞を開いてみた。


おじいちゃんとオペラから,Aくんを守ってくれるペンダントを贈ります。ずっとつけて過ごしてね。

と書いてあった。
ペンダントはと言うと,綺麗な青い蝶の美しいペンダントが祝辞の中から出てきた。

A「綺麗!」

早速僕は,ペンダントをつけた。



入間「さ,散々だった・・・・・・。」

入学式は,なんとか無事に終わった。
因みに,あの禁忌呪文の効果は,「その日1日,転ばなくなる!」だって。

A「なんで入間くんと僕で祝辞の中身が違うんだろう?」

入間「え!?Aくんは違うの!?」

A「うん。このペンダントと手紙だった。」

そう言って,手紙とペンダントを見せた。

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巧翔(プロフ) - 棗さん» コメントありがとうございます!なるべく早く更新出来るよう努力しますので,楽しみに待っていて下さい。 (10月17日 18時) (レス) id: 4b3efdcd78 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです… とっても面白くて何度も読みたくなるようなお話でした!次回も楽しみにしています!! (10月15日 20時) (レス) @page21 id: ada088a93e (このIDを非表示/違反報告)
巧翔(プロフ) - 匿名Aさん» コメントありがとうございます!これからも神作と言ってもらえるような作品を作れるように頑張ります! (10月10日 20時) (レス) id: 4b3efdcd78 (このIDを非表示/違反報告)
匿名A - 最高です神作を投稿してくださってありがとうございます(早口)(真顔) (10月10日 18時) (レス) @page21 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:巧翔 | 作成日時:2022年10月23日 10時

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