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54時間目 ページ9

rd「A〜」


『用がないなら呼ばないでください』


教師相手…しかも自分の担任の前なら、普段の私なら例え嫌っていようと嫌ってなかろうと笑顔を貼り付けて、なるべく良く見られるように接する。しかし、現在担任に呼ばれたにも関わらず無表情で冷淡に突っぱねる。理由は簡単、配慮する必要がないと分かったから。


rd「冷たっ。用ならあるけど、学級委員の最初の仕事」


それなら仕方がないか。
その後、学級委員の諸々の話を聞いて必要最低限返事をした。


『……なんで、先生は私を選んだんですか。』


唐突に、ふと口に出してみると、先生は一拍考えこむように間を置いた後、


rd「Aは優秀だって他の先生から聞くからな〜〜あと、普通にAと仲良くなりたかった」


なんて台詞を言いながら書類を捲っていた。そっちが本音でしょ、なんて吐き捨てるように言うと、バレちゃったか〜なんて軽薄に笑った。仲良くなりたい、だなんて。確かに人気出そうな雰囲気してるから、もし他の女の子とかが言われたら喜ぶのかな。その点、自分は素直に喜べないばかりか突き放すような事ばかりを吐く。我ながら嫌な小学生だ。


rd「Aさ〜、何か悩んでるだろ?」


『そりゃ、人間なら悩みの一つや二つくらい……』


少しばかりバツが悪くなって顔を背ける。そんな態度を取ってもなお、話は止まることを知らず、


rd「いーや、そんな軽いもんじゃないな。友達に問題があるようにもみえねーし、無難に考えると家庭……親か。見たところ傷とかもないから虐 待でもない。とすると、相談しづらい悩み……暴言?いや、多分違うな……。」


なんて、最初は私に向けて話しかけていたにも関わらず、途中から独り言のようにブツブツと勝手に分析を始める先生に心底嫌気を覚えて、踵を返し先生の元を去ろうとした。


rd「もしかして、親の不倫とか見ちゃったり?」


ピクン、なんて身体が大袈裟に跳ねる。お、図星?なんて少し高くなった声が後ろから追いかけてくる。


『違います。用がないならこれで。』


このままこの空間にいると不味いと本能が知らせる。なるべく早く立ち去ろうと早足気味に先生の元を離れた。


rd「いつでも相談乗るから先生の事頼れよ〜」


誰が頼るもんか、なんて心の中で悪態をついてその場を離れた。学級委員になった手前関わらない事は不可能だけど、なるべく距離を置こう、なんて密かに決心しながら。

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葵斗 - いいぞもっとやれ (2月26日 21時) (レス) id: 6f83c28ab3 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - 続編嬉しいです!無理しない程度にこれからも頑張ってください! (9月9日 12時) (レス) id: 1c05c5cc8b (このIDを非表示/違反報告)
- 愛してます”””” (9月8日 21時) (レス) @page3 id: b95bc397ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神崎いのり | 作成日時:2023年9月7日 23時

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