【ﾛ兄鬼2】放課後、秘密の恋愛授業2【rdo】 (ページ1)

今日:15 hit、昨日:22 hit、合計:9,900 hit

46時間目ページ1

rd「A〜ちょっと手伝って〜〜」

『やだ〜〜』

rd「そう言いながら手伝ってくれんだ？」

この体育の授業で今日はもう下校だ。この後予定は特にないし、らだお先生のお願いとあらば断る理由もない。みんなに軽く別れの挨拶を告げて、小走りでらだお先生の方へと向かった。

rd「運びたいものあって、一緒に運んで？」

『やだ〜〜〜』

rd「Aやさし〜ん」

やだ、と口では言っておきながら足を進めていく私に、先生は少し嬉しそうに笑った。
先生と並んで歩きながら、今日の授業の事など軽い日常会話を交わした。そして、ふと空を見上げる。あれ、さっきよりも雲が多くなってる気がする。

『先生、雨降りそう』

rd「うわ、ほんとだ。急いで終わらそ」

そんな会話をするや否や、ぽつりと頬に冷たい感触がした。

『あっ』

rd「やっべ」

あ、来る。と思った瞬間、一斉に雨が降ってきた。それと同時に、先生と私も一斉に駆け出す。無我夢中で走って、なんとか校舎から少し離れている倉庫まで辿り着いた。全力疾走したからかかなり息が上がったけれど、先生は私と同じくらいの速度で走った割にふぅ、と軽く息をついただけだった。

『う〜濡れた』

rd「こりゃ当分止まないな〜」

先生はいつも被っているニット帽を外して雨で濡れた髪を掻き上げた。その仕草に、なんだか変な気分になる。なんというか……非常にけしからん。

rd「大丈夫？寒くない？」

『へっ？いや全然寒く……へくちっ！』

嘘である。全然寒いに決まっている。心配させまいと嘘をついたものの、直後のくしゃみで恐らく全てが台無しになった。現にらだお先生はとても心配そうに私を見ている。そして、先生は着ていたジャージを脱いで、私の肩にそっと被せた。

『だっ…！だから寒くないって……！』

rd「はいはい。そーだね」

寒くないと言葉を繰り返しても、おおよそ信じていないかのように適当な返事が返ってきた。軽く頬を膨らませて、肩にかけられたジャージを引き寄せた。

先生はコンクリートの地面に座り、座った横の地面をポンポンと叩いた。座れ、って意味かな。

rd「雨長そうだし、話そ」

『……うん』

短く返事をして、先生の横に座った。

……雨はまだもう少し降りそうだ。