Nevermore ページ9
『Nevermore』
「月が綺麗」 そんな常套句が似合う
ある夜中の事
カラカラ渇いた心 充たすためだけに
僅かな嗜虐心を弄びながら
ふらりと 何か玩具を探していた
獄窓の奥に 本を繙く青年
少しの間見ていれば 取り憑かれているように
閑静な一室で 永久に独り言ちる
ああ、決めた 彼と一夜を明かそう
Nevermore. Nevermore.
アテナの胸像を踏みつけて
夜の淵より 目を覚ました邪悪な大鴉
Nevermore. Nevermore.
真剣な顔で宣う青年に ただ一言だけ呟く
Nevermore.
「哀れな人」 そんな烙印を押すべき
ある青年と遊ぶ
ひたすら同じ事を 言っているだけなのに
確かに被虐心を煽いでいるようだ
自滅の一途を俯瞰していた
失笑飲み込み ただじっと羽根をたたんで
彼の滑稽な姿に 満足感を覚えていく
理解は及ばぬけれど 愕然と狂っている
ああ、なんて 愉快だ これ以上ない
Nevermore. Nevermore.
こう言えば 青年は百面相
仮面の付け替えは 見てて飽きないよ もっと見せて
Nevermore. Nevermore.
冥界の悪魔と揶揄されたところで 弱い犬程よく吠える Nevermore.
今、この時、何処かで
死神が鎌を振り上げて きっと
我らが住み処へ 紳士的エスコート
Notingmore 何もない無限闇
Evermore それこそ永遠に
この狂人も連れて行ってやろう
Nevermore. Nevermore.
アテナの胸像を踏みにじり
夜の淵へと
Nevermore. Nevermore.
灯火の陰に縛った青年に 嘲笑を吐き掛けて鳴く
Nevermore.
───
『Nevermore』 『二度と〜しない』という意味の副詞です。
ご存知の方はサビらへんでピンと来ると思います。
元ネタはエドガー・アラン・ポーの『大鴉』です。
この歌詞では悪魔的に書き上げましたが、原作の大鴉は何を思っていたんだろうな。
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IDee(プロフ) - りょうさん» こんにちは、ご感想ありがとうございます！ 歌詞の物語性及びキャラクター性にはこだわりがあったので、それを感じ取って下さったのが嬉しいです……！ (11月9日 17時) (
レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
りょう - IDeeさん» ありがとうございます。 (10月16日 22時) (レス) id: 6f855b0f82 (このIDを非表示/違反報告)
りょう - 僕も曲を作っている者です。一つ一つ物語を観ている様でした。歌詞って綺麗事なんです。でも、なんだか綺麗でした。良い経験になりました。 (10月16日 22時) (レス) @page32 id: 6f855b0f82 (このIDを非表示/違反報告)
IDee(プロフ) - ゆうひさん» ご感想ありがとうございます！ 皆様丁寧に感想を書いて下さって……CSを読み込んで言葉を深く探した甲斐があります〜！ 喜んでいただけて何よりです😊 (2022年12月12日 20時) (レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - すごい…語彙力がなくなるぐらい凄かったです…。綺麗でとても難しい言葉もあるのに全体的なまとまりがあって、かつ、識の物語を上手くはめ込んでいて、読み終わったあとのパズルが完成したかのような満足感が半端なかった…。すごいです、ありがとうございます！！ (2022年12月11日 23時) (レス) @page26 id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)
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