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ラングヴァイレ ページ2

『ラングヴァイレ』


降り始めた 傘も要らぬ程の雨が
僕の肩を 濡らしてゆく
今朝できた 水溜まり ひとつ、ふたつ
足先で踊るように躱す

煉瓦色の街角の 淡い街灯の下
退屈交じりに 独り舞う"Giselle"
微かなダマスクの薔薇の香りに誘われ
踊らされているようだ

薄っぺらな雨雲と感情
まだ雨脚は遠退かないみたいだ
肌を刺すくらいの雨粒になる前に
小さな声で呟くエンデ



日の昇らぬ 常夜の街並み(ジオラマ)は深閑
僕の他に 誰も居ない
慰みに 思い描く ひとり、ふたり
虚空の観客侍らせ踊る

雨が伴奏 無声劇 僕は木偶なのだけれど
僕しか居なければ 一人舞台だな
僅かな想像の産物である ガイストが
拍手してくれるようだ

薄っぺらな夢想と感情
もう人々は霧となったみたいだ
胸を刺すくらいの孤独になる前に
瞳閉じて呟くエンデ



不似合いなトゥシューズ脱ぎ捨てて
夜空に投げ放てば ひとときの酔狂
満たされぬ空いた心が埋まるだろうか



薄っぺらな雨雲と感情
まだ雨脚は遠退かないみたいだ
肌を刺すくらいの雨粒になる前に──



薄っぺらな情動と感動
この退屈に終わりは無いみたいだ
胸を刺すくらいの寂寞になる前に
ただ独り雨に打たれて くるり舞うエンデ
瞳閉じて 小さな声で そっと呟くエンデ



───
『ラングヴァイレ』 意味は『退屈』です。

Giselle(ジゼル)とはバレエの演目の一つで、同じ名前の薔薇の種類もあります。一応、掛詞のつもりでした。
世界にはたった一人。退屈以外の何者でもありませんね。そんな何もない場所に、時間だけが有り余るジレンマ。さぞ苦痛でしょう。

CAVE→←miniature garden



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設定タグ:作詞 , 歌詞   
作品ジャンル:詩/ポエム, オリジナル作品
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IDee(プロフ) - りょうさん» こんにちは、ご感想ありがとうございます! 歌詞の物語性及びキャラクター性にはこだわりがあったので、それを感じ取って下さったのが嬉しいです……! (11月9日 17時) (レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
りょう - IDeeさん» ありがとうございます。 (10月16日 22時) (レス) id: 6f855b0f82 (このIDを非表示/違反報告)
りょう - 僕も曲を作っている者です。一つ一つ物語を観ている様でした。歌詞って綺麗事なんです。でも、なんだか綺麗でした。良い経験になりました。 (10月16日 22時) (レス) @page32 id: 6f855b0f82 (このIDを非表示/違反報告)
IDee(プロフ) - ゆうひさん» ご感想ありがとうございます! 皆様丁寧に感想を書いて下さって……CSを読み込んで言葉を深く探した甲斐があります〜! 喜んでいただけて何よりです😊 (2022年12月12日 20時) (レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - すごい…語彙力がなくなるぐらい凄かったです…。綺麗でとても難しい言葉もあるのに全体的なまとまりがあって、かつ、識の物語を上手くはめ込んでいて、読み終わったあとのパズルが完成したかのような満足感が半端なかった…。すごいです、ありがとうございます!! (2022年12月11日 23時) (レス) @page26 id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:IDee | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年1月12日 16時

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