失敗人生2

72話 ページ26

「ただいま」

自室へ行く前に母の部屋をと入り帰宅したことを知らせると「遅くない？」とちょっとした不機嫌そうな母に小言を言われた

でも小言を言われるなんてもはや慣れてる。それに、心配してもらえてるってことだから少しは有難く感じ無いといけないだろう

「ごめん、2年で試合の反省会してた」

そしてそれに対しての返答も、同時に慣れて簡単に言葉が口から出る。そしてそれと同時に自分の目が赤いとわかっているから言及されないように自分からそれらしき嘘も添える

嘘で塗り固めた僕はこのくらいの嘘はお手の物だ

「眠くてあくび止まんない。もう風呂入って寝る」

そう言い部屋を出て事実に向かい、鞄を適当に投げて制服を脱ぎ風呂に入る準備をした

どうやら今日はシャワーだけのようで、三十分くらいで風呂を上がり髪の毛を乾かすことなく布団の中へ入った

沢山泣いたからか、本当に疲れた気がする

「そーと決まれば秘密の作戦会議やな」なんて、治の言った言葉が目を閉じると頭に浮かんだ

「秘密の作戦会議、かぁ」

そう思ったことを口にしたら自然と笑顔がこぼれた。だって秘密の作戦会議だなんてまるで小さい子供がヒーロごっことかで言ってそうな単語だったから

(なんだろ、なんか久々な感覚だ)

こんなに温かい気持ちになったのは久々で、この感覚が嬉しいのか、それとも治達の行動が嬉しいのか。それは分からなかったがただ、嬉しいんだという感情であるのはわかった

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