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夫婦と裏切り者 ページ24

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「A、こっちはOK」

『こっちもだ。今日も大丈夫そうだな』


秋組公演3日目
初日をなんとか乗り越え、毎日少しずつ調子を上げている秋組。衣装を切り裂かれて以降直接的な被害はないものの、いつ何が起こるかわからない。

だからこそ手が空いている劇団員と一緒に公演前や公演中、終演後もこうして見回りを行い不審者を警戒している。


3日目の今日、休憩のこの時間にも至と共に場内を見て回っているが特に不審な点は見つからない。衣装で懲りたんだろうか。



『じゃあそろそろ戻って……』

「静かに。A、あれ見て」

『太一……?手に持ってるものって…まさか、』


館内アナウンスのために持ち場へ戻ろうとしたその時、至に腕を捕まれ物陰に隠れる。
指差された方へ視線を向ければ、衣装を着たままの太一が何かを持ってどこかへ行こうとしているところで。

舞台や楽屋とは反対方向へ向かう足取りと、その手に抱えられたものに息を呑んだ。



「あれ、小道具のピストルが入った箱だよね」

『ああ。公演期間中何度も確認したし間違いない』

「ってことは今までの犯行全部太一だったってこと?身内の犯行とか探偵漫画にありそう」

『そんなこと言ってる場合じゃないだろ。今すぐ止めなきゃ』

「ダメ」


とある部屋に入って行った太一を追おうと一歩踏み出す…が、腕を引かれその場でたたらを踏む。

もう時間もないのに何を言ってるんだと目で告げれば、「こういう時は、」とどこか機嫌よく至が口を開いた。



「犯人と接触するのはNG。太一が去ったあとバレないようにあの部屋に入って、何事もなかったように楽屋にピストルを持ち帰るのがベスト。……違う?」

『……お前、悪い顔してる』

「だってこんな機会滅多にないし。アニメの主人公みたいな経験できるとかレアでしょ。テンション上がるわ」


上がるな。とは言えなかった。
ちょうど部屋から出てきた太一が俺たちの方へ歩いてくるのが見えて、バレないよう必死に息を殺す。

遠ざかっていく足音を背後に捉えながら、ピストルが隠された部屋に慎重に足を踏み入れた。



「あった。例のブツ回収完了」

『急いで届けねぇと。もう休憩が終わるまで10分もない』

「突っ込みはなし……か」


部屋の一番奥、見慣れた箱を開けるとピストルが一つも欠けることなく入っていた。どうやら壊されてはいないらしい。

ここからは時間との勝負だと、箱を抱えて廊下を走り抜けた。





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作者名:杏梨子 | 作成日時:2019年5月3日 10時

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