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旦那と衣装係 ページ23

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「A、衣装の修正手伝って」


珍しく慌てた様子でノックもせず扉を開いたのは、我らがMANKAIカンパニーの衣装係だった。

修正と言った幸に2つ返事で立ち上がるものの、その様子に疑問を抱く。今日のリハーサルで多少のほつれが出たとか、何かの拍子に布が破けたとかそんなものでは済まされない雰囲気。


いつも饒舌な幸が口を閉ざしているところを見るに、どうやら緊急事態が起きているらしい。……あの脅迫状と何か関係があるのか?



「Aはこれとこれ。終わったらこっちのパーツの修正も」

『おい幸、これ……』

「詳しいことはあと。出来るでしょ?」

『当たり前だろ』


談話室にはせっせと布を縫ったり装飾を並べている秋組の姿。

深刻な表情の幸から渡された衣装はボロボロに切り裂かれていて、思った以上の事態に言葉を失う。
けれど止まっている暇はないらしい。そりゃそうだ。公演までもう日はない。当日までになんとか最上のものを。













「で、できた……!」


なんとか仕上がった衣装にようやく息をつく。

既に朝日が見え始めた中、幸によって試着と調整が始まる。俺もみんなの飯を作らなくちゃいけない。
寝不足で公演に臨むことになるんだ、せめて食事は消化によく栄養価の高いものを用意してやりたい。



「お疲れ。助かった」

『一番頑張ったのはお前だろ。大丈夫か?』

「これくらいでへばるわけないでしょ」


食材を取り出す俺に労いの言葉をかける衣装係。今回最も頑張って、そして辛かったはずだ。大丈夫かと聞いたのは体調ではなく寧ろ精神面で。
自分の手で作り上げた衣装を切り裂かれて、その胸中はきっと穏やかじゃないはずなのに。

気丈に振る舞う幸にそれ以上言うのはやめた。
傷口に塩を塗られて嬉しいやつなんていないだろうから。



『ありがとな。お前がいてよかった』

「いきなり何それ。気持ちわる」

『人が礼言ってんだから素直にな……!』

「…ありがと」

『……おう』


残るは公演だ。
あと数時間後にまで迫った本番、どうにか切り抜けないと。





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夫婦と裏切り者→←旦那と脅迫状



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作者名:杏梨子 | 作成日時:2019年5月3日 10時

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