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後輩とオーディション ページ2

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___『なあ、劇団とか興味ない?』


興味ねぇよ、そんなもん。

でも卒業して全然連絡寄越さなくなったアンタがいるなら、暇潰しくらいには参加してやってもいい。



「おい、オーディション会場ってのはここか」


貫禄のあるボロい劇場の扉を開いて中に入れば、一人の若い女と先日の公演で舞台に立っていたやつらがいた。

他にもガタイのいい男と、派手な髪色のチャラそうなやつがいる。俺と同じオーディション希望者だろうか。



「あっ、はい!オーディション希望者ですか?」

「まあな。それより、"アイツ"はいねぇのか」

「あいつ?」


俺の姿に瞳を輝かせた女に言葉を返すが、肝心の先輩がいないことを確認して密かに舌打ちをした。

あの野郎、人のことオーディションに誘っといて自分はその場にいねぇとかふざけてんのか。



「オーディション会場ってのは、ここか?」


不思議そうな顔をする女に「なんでもない」と告げた直後、不意に扉の方から聞こえた声に顔を顰めた。

俺と同じ言葉を吐いて劇場に踏み入れた男のことを、俺は知っている。まさか劇団に興味があるとはな。
まあいい。今日の俺の目的は兵頭十座じゃなく、一人の先輩なのだ。あいつに構っている暇はない。



「てめぇ、何でここに……」


だから馴れ馴れしく話しかけんじゃねぇよ。お前と同じ頭の弱いやつだと思われたらどうすんだ。

驚いた表情をする兵頭に今度は隠すことなく舌打ちをして、「てめぇには関係ねぇ」と呟く。いいから黙ってろ。



「ヤンキーが2人も……本当に秋組大丈夫なの?」

「きっとなんとかなるっしょ!」


夏組の男女とパリピの言葉を無視して、こちらを凝視する兵頭を睨み返す。
暇潰しくらいならと思ったが、こいつがいるとなると厄介だ。



「監督さん、そろそろオーディション始めないんですか?」

「もうちょっと待ってね。あと一人……」


纒わり付く視線にいい加減うんざりしていた時、劇場の扉が開いて2人の男が現れた。



『悪い、左京捕まえてたら遅れた』

「いつまで引っ張んだお前は。さっさと離せ」

『はいはい』

「左京さん来てくれたんですね!Aもありがとう」


やっと顔を見せた先輩の姿に、自分の口角がゆっくりと上がっていくのがわかる。

こちらへ少しずつ歩いてくる先輩に「おせーよ」と言えば、澄んだ群青と目が合った。





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後輩、入寮する→←嫁、朝を迎える



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作者名:杏梨子 | 作成日時:2019年5月3日 10時

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