曇り ページ6
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中学三年生の頃、わたしは美術科のある高校を目指していた
沢山描いて描いて、望んだ試験
不合格だった
その日から鉛筆も筆も、持つのが怖くなった
描くのが怖くなった
自分の絵には魅力がないんだと
才能がないんだと毎日自分のことを呪い続けた
落ちたことをきいた黎は泣きそうな顔をして、大丈夫だよ、大丈夫だよと何度も背中をさすってくれた
わんわん黎の腕の中で泣いた
その後普通校の2次の試験を受け黎と同じ高校に通うことになった
黎はずっと優しかった
美術の授業で絵を描く時、震えが止まらなくなった私に何度も声をかけてくれた
絵のことが好きなのに描けないと泣く私にずっと寄り添ってくれた
………だから痛かった、こんな風に黎を縛り付けていいのかと、彼の優しさを私だけが独占してもいいものなのかと、
だから今彼がこうして微笑んでくれて、私は本当に嬉しかった
これでもう、黎に負担をかけることにはならないかもしれない……
………嬉しいのに、なぜだか物凄く、悲しくなった
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うにょんぽつ - はじめまして!織山くんが持つ透明感に心を動かされた主人公ちゃんと重なる部分があって、読んでいてとても幸せな気分になりました。宵さんは受験もあってとてもお忙しいと思います、、。宵さんにとって悔いの残らない結果になることを願っています! (2023年2月19日 4時) (レス) @page16 id: d1a8cfc14e (このIDを非表示/違反報告)
てちてちてち(プロフ) - 矢花くんも織山くんも2人して儚い雰囲気がとても似合うし、美術でそれを表しているのがとても好きです、、!更新頑張ってください応援してます(^^) (2022年10月1日 1時) (レス) @page10 id: 2748f402d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宵 | 作成日時:2022年9月14日 22時