全ては君でした ．【Ryo.Hashimoto】

All you 13 . ページ14

．



まだ鳴り止まない胸を落ち着かせて



扉の前で深呼吸する ．





夢みたいな時間だったな … 。



あること除いて 。




ガラ



「 あ ー やっときた ー ！！

A 起こし方雑なんだけろ ！！


前はちゃんと来てくれてただろ〜 ！ 」


「 起きない上に蹴られるから


めんどくさい 。 」


「 う ｯ … 何も言えねえー ！！

何も言えねえよ 、はしもっちゃんんん 。 」






ガバ ｯ と涼に抱きつくけど


涼も苦く笑って何も言えてない 。




小説みたいに隣 、とかだったらいいけど


私の家から15分弱は歩かなきゃいけない 。




「 今日は遅かったんだ 。」




「 まあ 、ちょっとね 。



あ 、優斗 。ちょっと 。 」




まだ来てない前の座席に座らせて


真剣な顔で真っ直ぐ見つめる 。





なのに そのあほ顔やめて …

ほえ ？ ってこれか… 。








「 何だよ… 。 」



「 那須のさ真実 、って … 」



そこまで言いかけたところで

もうわかってしまった 。




分かりやすい人で助かる… 。




分かりやすく目がウロウロしてるもん 。





「 へえ … 。知ってるんだ 。 」


「 いや 、俺は知らねえ ！ 」


「 私だけだったんだ … 。


何も知らないの 。 」



無知は私だったんだろうか 。



「 A 、

お前さ 、今幸せならもう聞くなよ 。


後悔する ．にげえよ ．」




珍しく苦虫を噛み潰したように


こっちを伺っている 。



おまけに あの癖まで出てる 。



なんなの 、本当のことって … 。







「 浮所にも注意しとけ。 」



「 この学校なんだ 。 」



「 …まあ 。 」



この雰囲気が嫌なのか


この話題が嫌なのか分からないけど




「 今日さ！今日さ！」




なんて必死に話題を変えようとしてる 。






．





ごめん 、優斗 。




．








「 私は今幸せではないんだよ 。 」




困った顔をさせてしまってるのは


優斗の優しさだって 。




根が良すぎて 、駄目なんだよ ．


優斗は … 笑








「 少しずつ知っていこうと思う 。 」




「 … じゃ、辛かったら俺ん家しゅーご！ 」



「 約束 、できるっしょ ？ 」




そんな泣きそうな顔で


言われたら私も泣きそうだ 笑




「 もちろん 。」



指切りげんまん 、なんて


昔みたいだ 。






もう 、ヒロインの隣で終わらせたくないんだ 。

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