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『うーん、いい天気だ!

ディンブラ辺り用意して、レモンかミルク付けてくださいな!』

「かしこまりました。」

脚も問題なく機能するようになり、無事に医者も外れた。指示された通りのことをこなしているため、父も現在の自分には無関心だ。

午前のうちにやることを終わらせて、気分転換に外でお茶にすることにした。

「用意が整いました、スコーンもご用意しております。」

『気が利くね、ありがとう。』

季節は冬の終わり、だいぶ暖かくなってきた。4月からは近くの中学校に通わせてくれるようで、その中学校の理事長が午前中に挨拶に来ていたのをふと思い出す。

『……今日訪問した人、僕と同い年の娘さんが居るんだっけ。』

「雷門夏未様ですね。」

『夏未様ね、覚えておこう。』

学校の名は雷門中学校、校訓は……確か『努力と根性』だっただろうか。

『友達ができるかな、編入して溶け込めるかな…楽しみだなぁ。』

「……若様が楽しそうで、何よりです。」

いつもは表情を崩さない使用人が、くすりと微笑んだ。

『……佐々木さんの笑ってる顔久々に見たかも。』

「……御無礼をお許しください。」

『無礼だなんて思わないさ、大いに笑うといい。感情を殺せなんて命じた覚えはない、せめて僕の前だけでもちゃんと人間として振舞え。』

使用人は目を見開いて、咳払いをした。それに思わず吹き出して、顔を手で仰ぐ。

「全く、若様!

……そう言えば、ここ最近お出かけにならないようですがよろしいのですか?」

『なにが?』

「……円堂様のことです。」

使用人は小さく、幼馴染の名を発した。

「最近は散歩にも行かれないようですが……」

『時間と余裕がなかったからね、もう少し落ち着いたら行ってみるよ。』

同じ空の下、円堂は今頃何しているのかな。

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作者名:鷹羽 | 作成日時:2021年2月18日 2時

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