人間AIの姫とヤクザの王子【碧棺左馬刻】 (ページ6)

今日:17 hit、昨日:4 hit、合計:18,632 hit

Entering the AI society 4 ページ6

生駒side

「これより皇Aさんの脳内書き換え手術を行います」

「「「「宜しくおねがいします。」」」」

麻酔が十分に効いたことを確認し頭にメスを入れる

頭の皮膚と皮下組織を外側に広げれば脳内が見える

右脳左脳、海馬、様々なところにチップを縫い付け、管で神経とつないでいく

今までに何百人と手術をしてきただけあってこの作業は慣れている

そのまま異常を知らせる警報機もなること無く無事に手術は終わった

肝心なことを忘れて＿＿＿

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Aside

ふと、意識が上昇してきて瞼を開ければ真っ白い天井が目に入ってきた

病院独特の匂いが鼻に抜ける

『ん…』

「おはようございます。手術は無事に終わりました。体調に問題がなければお帰りただいて結構です。」

『わかりました。あっ、あの…』

「ご友人の方であれば手術を終えてお隣の病室にいらっしゃいます。ご一緒に帰られても構いません」

『ありがとうございます』

「それでは失礼いたします」

そう言って生駒さんは病室を後にする

特に体に異変があるわけでもないし、帰ることにした

『入るよ？』

「A！起きてたんだね、」

隣の部屋を訪ねてみると寝転がりながらテレビを見ていた
彼女は非常に苛立った様子でテレビを睨むような視線を向ける

『どうしたの？そんなに眉間にシワ寄せて』

「男は野蛮だなって思ってたの。しょうもない事で争ったりして恥ずかしくないのかね〜。Aもそう思わない？」

『んー、そうかな…。まあ色んな人がいるからね、それぞれの事なんだから別にいいんじゃない？』

「うそ…、私も男はいらないっていうのかと思った」

『それは…無いかな』

「男なんてただの獣、Aも気を付けないと。まあ、今の政権を握っているのは女性なんだし問題ないか。」

なんだか複雑な気持ちを覚えた
手術を受ける前までは男とか女とか気にしていなかった彼女がこんなにも変わってしまった

……ん？

手術を受けたのにどうして私は男性を嫌いになっていないの？