人間AIの姫とヤクザの王子【碧棺左馬刻】 (ページ18)

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The manifestation of a savior 5 ページ18

Aside

唇が離れた頃には私の息は上がっていた

顔に集まった熱はとどまることを知らない

一旦落ち着こうと外へ出ようとする

『そ、外の空気吸ってきます！』

すると左馬刻さんは黙って後ろから抱きしめてきた

恥ずかしさで居たたまれずどうにかして外へ出れないかと抵抗をするが男と女では体格や力の差が大きく左馬刻さんはびくともしない

抱きしめる力が段々と強くなったのでふと左馬刻さんの方を見ると美しい顔には似つかない暗い表情をしていた

「合歓みたいだ…」

『え？』

いきなり耳元で囁かれ、ドキッとしてしまう

だが声色から何かに悩んでいることが伺える

『ねむ？それは誰なんですか？』

「俺の…妹だ。今は中王区にいる」

『そうなんですね。すみません、なんだか聞いてはいけないものを聞いてしまったみたいで』

「いや、別にいい。ただお前が合歓に似ていると思ってな」

私が合歓さんに…

どんな人なんだろう

もしかして私を助けた理由って困っている人を放っておけないってことじゃなくて私が合歓さんに似ていたからなのかな

じゃないと一般人なら普通であって間もない人を家に止めようなんて思わないよ

ふとドアの近くにある棚に目をやると写真立てが目に入った

学生の頃の左馬刻さんと合歓さんだろうか、二人で撮ったであろう写真が入っていた

合歓さんも左馬刻さんと同じ綺麗な白髪で見惚れてしまうほどに顔が整っている

いいなぁ、こんな美男美女の兄妹なんてそうそういないよね

今でも思い出すほどなんだからきっと仲がとても良かったんだろう

それに比べて私は…

なんて考えを読んだかのように左馬刻さんは声をかける

「余計なこと考えてんじゃねぇぞ。お前はもう俺のモンだ、だから堂々としてりゃいいんだよ」

私はその一言にはっと目を見開いた