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望んだはずの ページ43

きっと今、誰かは笑っていて。
きっと今、誰かは泣いていて。
きっと今、誰かは寒がっていて。

ああ。お前は今何をしているのだろう。
泣いているのか、笑っているのか、怒っているのか、誰かを蔑んでいるのか。

嗚呼。ただ分かるのは。
お前が、儚く綺麗な事だ。


お前の目を見るのが、何より好きだった。

__


「………ん。」

風が、感じられない。
生きている心地が、全くといっていいほどしなかった。
今に、始まった事ではないが。

「起きたか。」

頭上から声がする。
寝起きで意識が朦朧とする頭では、その声がいつもの声ではないという事に気付け無かった。

「あぁ……、俺はどれくらい寝ていた? エクメーーーー」

言葉が詰まる。
それは、大好きな空で。
それは、穢す事が何よりも怖い空で。
それは、会いたいと願っていた空で。

穢したくないはずなのに、会いたいと願ってしまう。
そんな奴が今、目の前に立っていた。
夢ではないかと何度も何度も数字を数える。
それでも、リアリティーのある視界と五感が夢ではないと囁いてきた。

「アマゾナイト…どうして、ここに。」

無意識に安心を求めていた身体は、右手で首元に埋まっているアマゾナイトの破片を触っていて。
目は、驚きでずっと見開かれたままだった。

「お前が、クリソコラだな。」

嗚呼。まさに名前だけを知っている者に使うような言葉に、目の前が真っ暗になってしまいそうだ。
俺は、アマゾナイトの記憶に残る事が許されなかったのか。
ーーいや、それは。当たり前の事だろう。

自嘲的な笑みが、無意識に浮かんでいた。

「…そうだな、クリソコラだ。」
「記憶を失ってて、本当にすまないと思っている。」

やめてくれ、謝らないでくれ。
心がこれでもかというほど締め付けられて、身体よりも先に心が跡形もなく消え去ってしまいそうだ。

「……いいさ。」
「はは、ありがとう。あぁそうだ、会わせたい奴がもう1人いるんだが…。」

合わせたい奴、と言われると特に思い浮かばない。
エクメアか、もしかしたらアマゾナイト以外の宝石か。



ーー徐々に近付いてくるハイヒールの音は、どこかで聞き覚えがあるものだった。


「クリソコラ、元気?」

青い髪を揺らしながら、俺の部屋に入ってきた宝石。
懐かしい気配はするし、腕の合金は青緑と全く同じだ。
だが、顔が違う。びっくりするほど違う。

「こいつ、フォスなんだが…分かるか?」

本日、2度目の驚きだった。

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作者名: | 作成日時:2018年6月3日 20時

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