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覚悟 ページ27

「あれ…どうなってんだ。」

本来なら猛烈な速さで逃げ出すはずの月人は逃げ出さず、蕾のような姿のままでその場に居座っている。
あれなら斬れると思い、一歩踏み出し駈け出そうとするが腕をダイヤに引かれ足を止めた。
顔をダイヤの方に向けると、ダイヤは不安そうに眉を歪めていて。

「……ダメ、ダメよ。」

 その言葉は、悲しんでいるようにも怒っているようにも聞こえる。
どう言葉を返す事も出来ずに小さく俯く。
今まで仲間達を連れ去っていった月人達をあのままにするのは忍びなかったが、ダイヤを裏切る事はどうしても出来なかったのだ。



 _直後、ゴーストがあの月人の上に立っているのが遠めに確認できた。
まさにその図は、甘い蜜に誘われた蝶そのもので。
すぐ、ゴーストの後ろに出来た空の裂け目から月人の手が伸びてきてゴーストは掴まれる。
急いで足を動かし駆けるものの間に合う事は無く、裂け目の中にゴーストは消えていく。

 強く拳を握った。
まただ、またあの月人の手によって仲間を失うのか?
それは嫌だ、悲しい事だ。それでも自分は今どうする事も出来ない。
なんて無力なのだろう。
勇気があっても強くなければダメだという現実を今、改めて思い知らされた。



 と。月人の所へ目を凝らせば何か光輝くものが裂け目へと飛ばされるのが見える。
それが裂け目へと当たれば裂け目は黒い霧となって消え、バラバラになっているもきちんと原型は留めているゴーストが地へ落ちていくのが確認できた。
やはり、先生は強い。
強いから、羨ましく、時に妬ましくなってしまうのだ。

「なんて愚かな。」

意図もせずに無意識に吐いていた言葉は、誰の耳に入る事もなく風へ攫われ消えていった。


___


「ねぇクリソコラ。」

虚の岬で風を浴びていると後ろからダイヤに声を掛けられる。
風で髪を揺らしなが後ろへと振り向く。そこには悲しそうな顔をしながらも微笑んでいるダイヤが居た。

「…なんだ。」

 自分でも驚くほど冷たい声で返す。
揺らめく草が奏でる音が、緊張感を更に増しているようだった。

「あまり、無茶はダメよ。」
「……ああ。」

相手を安心させるために、微笑んで言う。
目は笑っていただろうか。そんな小さな心配が脳内に浮かんだが、すぐにそれは脳内から追い出され風に流されていく。





「変わらないと。」

青は言う→←水面に映る影



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作者名: | 作成日時:2018年6月3日 20時

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